読書記録です。犯罪者ネタが続きます。
「ケーキの切れない非行少年たち」これも話題になった時に買って読んで、再読です。
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表紙絵の帯のところに図があるように、非行少年に丸を見せて『「ここに丸いケーキがあります。3人で食べるとしたらどうやって切りますか? 皆が平等になるように切ってください」という問題を出して』みたところ、こういう線を引いたとのことです。つまり、非行少年の多くは、「そもそも後先考える能力がないから犯罪に走る」と。身も蓋も救いもないと思える話です。
これのちょっと前に、「Rey複雑図形の模写」という課題を「凶暴で手に負えない少年」にやらせた例が載っています。
「著者が再現」とのことですが、実際これぐらい図1-1とかけはなれていたんでしょう。確かにそこそこ複雑な図形ですが、図1-1だとたとえば長方形部分が2段になっていますが下の図だと1段しかないとか、基本的なところで食い違っています。
こういう少年たちに「反省」させても意味ないよな、と思ったら、「反省させると犯罪者になります」の話も出てきた。
〝おわりに〟にも記したのですが、故・岡本茂樹先生の著書『反省させると犯罪者になります』(新潮新書)を読んだとき、私が真っ先に感じたのは、「反省できるだけでも上等ではないか」ということでした。
私が出会ってきた非行少年たちの中には、反省すらできない少年たちが大勢いました。
「おわりに」にはこんなことが書いてある。
それに加え『反省させると犯罪者になります』(新潮新書、私が現在勤務する大学の前任者である故・岡本茂樹立命館大学教授による著作タイトル)という以前に、少年院にはもっと深刻な〝反省以前の少年たち〟がいっぱいいることも伝えたいと思いました。
現在、知的障害はIQが70未満で生活にも支障があれば診断がつくそうですが、
現在、一般に流通している「知的障害はIQが70未満」という定義は、実は1970年代以降のものです。1950年代の一時期、「知的障害はIQ85未満とする」とされたことがありました。IQ70~84は、現在では「境界知能」と言われている範囲にあたります。しかし、「知的障害はIQが85未満」とすると、知的障害と判定される人が全体の16%くらいになり、あまりに人数が多過ぎる、支援現場の実態に合わない、など様々な理由から、「IQ85未満」から「IQ70未満」に下げられた経緯があります。
ここで気付いて欲しいことがあります。時代によって知的障害の定義が変わったとしても、事実が変わるわけではないことを。IQ70~84の子どもたち、つまり現在でいう境界知能の子どもたちは、依然として存在しているのです。
そのうえ、IQというひとつの値にしてしまえば問題なしと思える少年でも、知能検査(小学生以上であればだいたいWISC検査)の10ある下位指標のどれかが極端に悪かったりする。筆者によれば『私的にはWISCは「ザル検査」だと思っています。』とのことなので10の下位検査全部そこそこでも知能に問題ないとは言えないそうですが、
ひどい例だとIQが70以上あれば、下位検査の値を見ることもなく〝知的には問題ない〟と一言で終わらせていた事例検討会での発表も多く見てきました。
とのことなので現場での認識はもっとまずいらしい。
「そもそも頭が悪いので犯罪に走る」というのでは、あまりに救いがない話です。ただ、本書の最終章である第7章は、
「第7章 ではどうすれば? 1日5分で日本を変える」
となっていて、ここには「少年が変わろうと思ったきっかけの話」のほか、具体的な認知機能向上のためのトレーニング(コグトレ)なども載ってます。図形を写す「点つなぎ」とか、短期記憶力のトレーニングである「最初とポン」とか。
境界知能がらみの話は、https://kmaebashi.com/blog/kmaebashiblog/post/47でも言及されていますが、迷惑をかけられた周囲の人たちが災難なだけでなく、本人たちも相当に生きにくさを抱えているはずなんですよね。
こういうトレーニングで救えるなら救われてほしいと思います。
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