K.Maebashi's blog

最近の読書「酒を主食とする人々」


また読書記録です。
今度は高野秀行さんの「酒を主食とする人々」。こちらのブログ経由で知りました。
基本読書
「高野秀行の最新作は酒でほぼすべての栄養をまかなう民族に迫る!──『酒を主食とする人々: エチオピアの科学的秘境を旅する』」
https://huyukiitoichi.hatenadiary.jp/entry/2025/01/26/080000

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高野秀行さんというと、私が以前読んだことがあるのは、「アヘン王国潜入記」。

ミャンマーでアヘン(およびモルヒネやらヘロインやら)の原料になるケシを作っている村に7か月住み込んで、ケシの栽培や収穫を体験する、というノンフィクションです。ご本人もアヘンを試して、しっかり中毒になっています(帰国したら2~3週で回復したようですが)。すごい話です。

そんな高野さんが、アフリカはエチオピアに住む「酒を主食とする人々」を取材する、という内容の本です。TBSの「クレイジージャーニー」という番組の取材らしいのですが、私は未見です(そもそもうちにはテレビがない)。

本書では、「コンソ」と「デラシャ」というふたつの民族が登場します。コンソの人々はソルガムを原料としたチャガという酒を朝から晩まで飲みますが、ソルガム団子のような固形物も食べます。デラシャの方は、ソルガムにブランゴという菜の花似の(?)植物を混ぜて作った「パルショータ」という酒を飲み、人によっては、あるいは状況によっては、固形物を食べずに酒だけで暮らしている人もいるそうです。どうもデラシャの人もソルガム団子とかは食べるけど、収穫前の畑で鳥を追い払うために畑に寝泊まりしているような人は朝から晩まで酒だけで暮らしているとのこと。

私自身酒飲みですが、酒を飲むとかえって喉が渇きます。でも、コンソの人もデラシャの人も、水分補給自体を酒で行っていてほとんど水は飲まないとのこと(著者の高野さんはコンソにいる間はペットボトルで水分補給しないといけなかったが、デラシャの村に来てから四日目くらいからは水を飲まなくなったとか)。

そんなに飲んで体は大丈夫か、と誰でも思うでしょうが、本書ではデラシャの病院の院長にもインタビューしています。以下引用。
『院長先生は「アルコールが与えると一般に言われる医学的な影響についてはもちろん私もよく知っています」と断ったうえで、「デラシャ人の健康状態は他よりも良好です」と答えた。「何も問題ありません」』
入院している患者も、切迫流産とかで入院している妊婦さん含めて病室で酒を飲んでいる有様です。デラシャの人は子供の頃から酒を飲んでいますが、妊婦が飲んでいるなら実質生まれる前からですね。

まあ、酒ばかり飲んでるなんてうらやましい! なんて話では決してなく、きれいな水が入手できないとか、厳しい環境に適応した結果なのだと思いますけど。(でも、チャガやパルショータ程度の度数だと、結構腐りそうだけどな)

今は、同じく高野秀行さんの著書「イスラム飲酒紀行」を読んでいます。これについてはまた今度。



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