インフルエンザで寝込んでいる間にまた読書記録がたまってしまいました。
体調の方はちょっとのどが痛くてたまに咳が出るくらいで、まあまあ良好です。しかし2週間以上経ってることを考えると、長引いている。トシですかねえ。
今回の本は「太陽の子」。朝日新聞の記者三浦英之さんによる本で、灰谷健次郎の小説とか、最近作られたらしいテレビドラマや映画とは関係ありません。
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この本の発端は、著者のTwitterに投稿された以下のメッセージです。
朝日新聞では、一九七〇年代コンゴでの日本企業の鉱山開発に伴い一〇〇〇人以上の日本人男性が現地に赴任し、そこで生まれた日本人の子どもを、日本人医師と看護師が毒殺したことを報道したことはありますか?
日本企業がアフリカのコンゴの鉱山開発をして、たくさんの日本人男性が現地に赴任して、現地の女性と子どもを作った、なんて話は、もちろん褒められた話ではないにせよありそうな話には思えます。しかし生まれた子どもを「日本人医師と看護師が毒殺した」となると穏やかではない。
しかし、この投稿にはフランスの国際ニュースチャンネル「フランス24」の動画のリンクが付いていて、それを見ると2010年3月16日配信で確かにそういう内容の報道がされている。
それで著者は現地に飛んで取材を始めるのですが、その取材中にBBCが同様の報道をする。フランス24というニュースチャンネルはできてからまだ日も浅く、著者も「心のどこかでフランス24を軽視していた」と書いていますが、BBCまで報じたとなるとやっぱり真実なのでは、と思いかけたが、BBCの記事の末尾にこんな記載があって(フランス24の記事にも同様の記載あり)、
日本大使館とコンゴ政府当局は、BBCのインタビューの要請には応じなかった
日本大使館に問い合わせてみたら、
「結論から申し上げますと――」と数分後、参事官はまずは我々が事前に伝えていた質問の回答だけを口にした。「日本大使館はBBCからのインタビューや取材の要請を受けていません」
フランス24からも確認はなかったとのこと。
でまあ結論を書いてしまうと、フランス24、BBCともに、特定のコンゴ人記者の言うことをそのまま報道した、というのが実態らしい。
フランス24やBBCの取材の双方には、「報道により日本政府や日本鉱業から賠償金が支払われた場合には、成功報酬として自らに二〇%のマージンを支払え」と要求しているコンゴ人記者がそれぞれ現地助手的な役割で取材に関わっているからです。
その後著者はフランス24とBBCに質問状を出しますが、フランス24はなしのつぶてでBBCの方はあまり誠意のない回答をしつつしれっと記事を削除した。お粗末な話です。
それはそれでひどい話ですが、現地で子どもを作って、その後しばらくは手紙とかお金とかも送っていたようですが最終的には放置した日本人男性側もたいがいです。
実を言うと、私はその後の取材で一度だけ、日本人残留児たちの父親らしき人物に遭遇したことがあった。確実に「父親だ」と断定できたわけではなかったが、かなりの確率で「父親に違いない」と思えるような人物だった。
数日後、私がその牧場に出向くと、兄は面会には応じたものの、私の取材のすべてを拒否した。言動から私の取材の趣旨を理解しているはずなのに、「手紙なんて読んでいない」と言い、「なぜ、そんなことをするんだ」「お前さんになんの権限があるんだ」と私の行為を責め立てた。 取材を拒否されてしまうと、私にはもう打つ手がなかった。立ち退こうとする私に向かって、男性は乱暴に言い放った。 「そんなことして、誰が幸せになるもんか! 俺は全然関係ないけど、そういう人たちだって日本には日本の家族がいるんだろうが!」
当時、コンゴで鉱山開発していた日本鉱業の後継企業、およびその紹介で当時現地にいた人にも取材しますが、その人たちはそもそも現地で日本人の子どもが生まれていたこと自体を認めない。
現地で子どもを作っていた日本人の中には、日本に妻子がいたような人もいて、まあろくでなしですが、本書を読む限り、コンゴの子どもたち(年齢的にはもう中年ですが)は今でも父親に会いたがっているらしい。こんなろくでなしに会いたいものですかねえ。
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