「春にして君を離れ」は、アガサ・クリスティが、別名義「メアリ・ウェストマコット」で書いた小説です。アガサ・クリスティといえば誰もが知るミステリ作家ですが、この小説では誰も死なない。そのくせやたらに怖い。
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ストーリーはと言えば、主人公の48歳くらいの女性であるジョーン・スカダモアが、急病の娘(イギリスからバグダッドに嫁いだ)の見舞いに行った帰り、天候が悪くて先に行く列車が来なくなり砂漠の中のレストハウスに数日滞在する羽目になる、という話です。言ってみればほぼそれだけ。だから殺人事件どころか特に事件も起こらずに、文章の大半は回想に占められています。
ネタバレは避けますが、主人公のジョーンは別段悪人というわけじゃない、鈍感ではあったかもしれないがそれも本当に気づいていなかったのか気付かないふりをしていただけなのか。ラストも怖い。これからも気づかなかったふりをして生きていけるのか。
そして何が怖いって「こういう人いるよなあ」と思えるところ。私自身、こうなってないか、自省しないといけないな。
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