K.Maebashi's blog

最近の読書「12万円で世界を歩く リターンズ」


先日の「ポーカー・フェース」の話で出てきた、海外とかあちこち行ってて深夜特急も当然読んでるという近所のバーのマスターに、「深夜特急と何でも見てやろうの次に読むべき本は何ですかね?」と聞いたら教えてくれたのが、下川裕治さんの「12万円で世界を歩く」という本。1980年代後半(?)に週刊朝日のグラビアページに月1回で連載された企画で、『編集部から十二万円を受けとり、その費用でどこまで行って帰ってくることができるか──というものだった。』とのこと。なぜ12万円かといえば、当時の『週刊朝日』のグラビアページが使える経費が12万円だったから。

Kindle版がなかったので私は買っていませんが、文庫本のアフィリエイトリンクを載せておきます。
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じゃあ読んでみようかとamazonで探したら、やっぱり古い本なのでKindle版は出ていない。ただ、続編の「12万円で世界を歩く リターンズ」というのが出ていて、そっちはKindle版もあったので購入しました。

現状での既刊は2冊あります。「赤道・ヒマラヤ・アメリカ・バングラディシュ編」と、「タイ・北極圏・長江・サハリン編」。

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「リターンズ」は、「12万円で世界を歩く」で旅したルートを30年後にもう一度辿る、という企画です。本の出版時期が2019年7月と2020年3月なので、それよりちょっと前の旅です。コロナ禍のちょっと前か。

『12万円で世界を歩く』で旅をしたルートをもう一度、辿ってみることになった。三十年の年月が流れていた。『12万円で世界を歩く』では十二のルートに挑んでいた。調べると、そのうち三ルートは辿ることが難しくなっていた。中国の長江を船で遡っていくコース、そして東シナ海を船でめぐる旅は、船の運航がなくなっていた。三十年の間に、豪華クルージングではなく、ある航路を往復する、いってみれば路線船の需要はなくなってしまったのだろう。インドのスリナガルからラダックをめざした旅も難しくなっていた。スリナガル一帯は、当時からインドとパキスタンの火種だった。領土をめぐる問題だった。三十年前は安定していたのだが、最近、その状況が変わってしまっていた。残るのは九ルート。

この2冊で8ルート回っていて、実は「中国の長江を船で遡っていくコース」も2冊目に入っているし、2ルートは前作にはないルートだから、あと4ルートくらい残ってるのかな?

「30年も経てば物価も上がっているだろうし、同じ12万円ではとても回れないのでは?」と思いますが、そういうところもあったけれどLCCで楽になったところもあったようです。旅の最後に明細書がついていて、タバコやビールの出費まで書いてある。8つの旅はそれぞれこんな感じだったようです。

赤道編

バンコクからマレーシアに渡り、スマトラ島で赤道を越える旅。1988年の旅は総経費11万9978円、2018年の旅は7万4891円。かなり安く上がっている。

ヒマラヤ編

アンナプルナのトレッキングコースで2400メートルまで登る旅。1988年の旅は総経費12万980円、2018年の旅は11万6060円。1998年は足が出てますが、『下山の途中で目覚し時計を売り、街に戻るジープ代はビーチサンダルで払い、最後にはヒルに嚙まれて血で汚れたズボンまで売った。それでも十二万円を九百八十円オーバーした。』とのこと。

アメリカ編

アメリカをバスで1周する。1988年の旅でも12万1538円、2018年の旅では21万415円。あれだけ何でも値上がりしているアメリカで、この程度で収めたのはむしろすごいのでは、バスも、アメリパスという乗り放題切符がなくなっていたそうだし。

12万円でバングラデシュに暮らす

これは30年前の旅の再現ではないようで、予算は同じく13万円だけれどもバングラディシュで一定期間暮らす話。12万636円。

タイ編

タイを国境にそってぐるりと回る(ときどき国境を越える)。
30年前はミャンマーは軍事政権で観光客なんか入れなかったんですが、その後民主化されて入れるようになった、というのが「リターンズ」の時代です。

その後、ミャンマーは大きく変わった。軍政主導の政治体制が崩れ、民政化が進んでいく。総選挙が行われ、アウン・サン・スー・チー率いるNLD(国民民主連盟)が政権を握った。ミャンマーへの旅もずいぶん楽になった。まずミャンマーの空港でビザがとれるようになり、二〇一八年には、観光目的の日本人はビザなしで入国できるようになった。

それがまさかまた軍事政権になるとはねえ……
1989年の旅は総経費7万3000円、2019年の旅は6万3847円。

北極圏編

カナダから北極圏に行きます。
1989年の旅は総経費24万2051円、2019年の旅は24万8683円。1989年の旅の時点で、12万円には収まるわけがないというので

そこでホワイトホース以北は、北極海オプションというか、十二万円の費用には含めない打開策が発令された。

というインチキみたいな方法を使っていて、上述の24万2051円はその北極海オプション分11万6162円を含んでいます。2019年は北極海オプションみたいなのはないのですが結局24万8683円かかっている。

総費用は二十四万八千六百八十三円もかかってしまった。三十年前に比べ、ガソリン代やレンタカー代があがり、ホテル代も二倍以上に値あがりしていた。これが堪えた。

とのこと。
ところで北極圏と言えばイヌイットですが、

カナダ政府は、イヌイットの定住化を進めた。医療や子供たちの教育を考えれば、冬の間に陸地を離れ、男たちの猟につきそう暮らしは問題が多かった。しかし陸の上で暮らせといわれても、イヌイットには生きていく手段がなかった。政府からの援助に頼ることになる。しかしその金は、男たちの酒代に消えていく。

やっぱり酒ってろくでもないな。

長江編

中国で長江を遡る旅、だったはずなんですが、結局そういう船はほとんどなくなっていて、前回の1/10くらいしか船では遡れなかったとのこと。船は時間がかかるので、どんどんなくなっているようですね。

これは中国のツアーだった。のんびりという要素がどこにもない。早朝に起こされて三峡を眺め、わいわいと朝食をとって、小型船で小三峡観光に。戻ると間髪をいれずに昼食が待っている。こういうテンションでなければ満足しないのだ。

1988年の旅は総経費11万7104円、2019年の旅は8万6422円。安くなっている。

12万円でサハリンに暮らす

上巻同様、最後は30年前の旅の再現ではなくて、12万円で海外で暮らす話。
近所のスーパーでお惣菜を買ってきたり、自分でボルシチを作ったりして食費を安くあげている。
ロシア人といえば酒飲みですが、あまりのアルコールの蔓延で夜の11時以降の酒類の販売が禁止されている※1。でもビールが飲みたくて、まともな店で買えなくてがっくりした帰り道、怪しい店の小窓でビールを買う。カメラマン含めて2人いるから2本買ったら1.5リットルのペットボトルが2本だった。
総費用8万1721円。

全体的に。

急ぎすぎ

30年前も今回も「12万円で世界を歩く」旅なので、安くあげる必要がありますが、急いで回れば回るほど安く上がります。

旅費を安くあげるコツがあった。それはスピードだった。とにかく先へ、先へと急ぐことだった。夜行のバスが発車するといわれれば飛び乗り、早朝の列車に乗るため、駅へ急ぐ。早い旅は日程を短くしてくれる。するとその分の宿代と食費が浮いていく。

企画の意図はわかるとして、これじゃ何も見て回れない。自分でやりたい旅ではないです。アメリカ編なんて本当にバスに座ってるだけで終わってる。

体力の低下かなあ

著者の下川さん、30年前は30代でしたが、今回は60代の半ばになっています。
登山とかもされていて、年の割には体力のある方なのだと思うのですが、赤道編ではタイからマレーシアに抜けるとき、国境までバスで行ってそこでバスを降りたら、タイの出国ゲートからマレーシアの入国ゲートまでが思いのほか距離があって(みんな車で国境を越えている)、歩かなければいけなかった、という記述があるのですが、その距離が

歩くしかなかった。日はすでに高い。日陰のない車道が続いていた。五分ほど歩いただろうか。左手に免税店が見えてきた。まだマレーシアに入国していないのだから、そこにあっておかしくないのだが、すべてが車を想定してつくられていた。
しかし暑い。汗が伝う。しかし歩かなくてはマレーシアに入国できない。さらに五分ほど進んだ。左手にタイの出国ゲートに似た施設が見えてきた。

暑いにしても、歩いたのは10分?

ヒマラヤ編では、経路を誤って登山口まで小一時間車道を登る羽目になって、それをずっと悔やんでいるのですが、でも小一時間の話ですよね。いやさヒマラヤ登れるだけですごいんでしょうが。

旅に出るなら若いうちがいいんですかねえ。

先日から旅の本を何冊か読んでいますが、やっぱり旅に出たくなりますね。それも少しでも若いうちに。仕事している場合じゃねえ。


  • ※1 昔はビールは例外だったと聞きましたが、今はビールもだめらしい。

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この記事へのコメント:

ちょっと前に「残りの人生で今が一番若い」と言われて、目から鱗が落ちました。
いろんな理由で行けなくなったところがありますし、これからもまだ増えそうです。
どうぞお出かけください、少しでも若いうちに👍

Posted by OET 2026/09/20 17:36

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ブログを作ってみました。何を書くかは未定。

まえばし

いわゆるSEですが、Excelは嫌い。酒は好き。
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