K.Maebashi's blog

最近の読書「世界の果てまで行って喰う 地球三周の自転車旅」


また読書記録です。以前取り上げた「大事なことは自転車が教えてくれた」の著者の石田ゆうすけさんが書いた本。「世界の果てまで行って喰う 地球三周の自転車旅」。

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著者の石田ゆうすけさんは、大学卒業後(在学中に1年休学して日本一周をしている)、いったん就職して資金をためて7年半の世界一周の自転車旅に出て、帰国後は専業の物書きになったそうです。

サラリーマンを辞め、自転車で約七年半ぶっ通しで世界をまわって『行かずに死ねるか!』という本を出した。そうしたらなんとか文章だけで三食、ご飯と納豆なら食べていける目算が立ったので、世界一周後は専業の物書きになり、本を書きつつ、自転車雑誌や旅行誌、それに僕自身とりわけ関心の高い食べ物について、グルメ雑誌などにシコシコ駄文を書き連ねている。時間も自由になるので、自転車の旅も続けている。

「自転車の旅も続けている」とあるように、世界一周の旅のあともあちこち自転車で回っていて、あちこちで食べたものを紹介したのがこの本です。

世界一周の旅とその後の旅を合わせて、これまで約一二万キロ、地球三周分の距離を、地を這うように旅して腹を徹底的に空かせ、喰って喰って喰いまくってきたわけだが、さて、どこのどんなメシがとりわけ幸せだったのか、あるいはテリブルだったのか。  食を巡る旅に出かけようと思う。


気楽に楽しめる本ですが、やっぱり世界をめぐるとなると、げらげら笑って読んでられる話ばかりでもない。

イスラエルでのことだ。イスラエル右派の党首がイスラム教の聖地への立ち入りを強行したことがきっかけで、パレスチナ人の怒りが爆発して民衆蜂起「インティファーダ」が各地で起こり、イスラエル軍が武力で制圧するなどして緊張が高まっていた

この民衆蜂起「インティファーダ」、宿の主人に尋ねてみると「ぜひ見てきてくれ」と言われる。それで行ってみると、黒焦げになったバスをバリケードにしてパレスチナ人たちが投石をしている。

だが突然、蜘蛛の子を散らすように人々が散開した。直後にそれまでとは質の違うパパパパという乾いた音が遅れてやってきた。──実弾だ。イスラエル軍は丸腰の民衆に向かって実弾を撃っているのだ。
聞いて知っていたことだが、生で見るとショックだった。イスラエル兵たちはやらなければやられるという極限状態の中でやむにやまれず応戦しているのではなく、自分たちにほとんど危害が及ばない状況下で、虫を蹴散らすかのように民間人を撃っているのだ。

村上春樹の卵と壁とか思い出してしまいますが、

さらに、呆気にとられるというより、これはもうはっきりとあきれてしまったのだが、どんな状況だろうと人が集まれば商機とみなされるようで、なんと屋台や出店が見物客のまわりに出ているのである。

人間そういうもんですかねえ。

そしてミャンマー。もともと軍事独裁政権で入国もできなかったミャンマーが、アウンサンスーチーさんの国民民主連盟が政権を取って行けるようになった。そこで『僕は待ってましたとばかり、すぐさま三ヵ月後の航空チケットをとった。』
そしていろいろ食べたり10歳くらいの物売りの少女から「モパトゥ」というお菓子を買ったりして、『夢のようなミャンマーでの日々を終え、日本に帰った。』のですが、その後は皆さんご存じの通り、

ミャンマーでは国軍が突然クーデターを起こしてアウンサンスーチー氏ら民主政権の幹部を次々に拘束し、反発する市民に銃を向けた。十四歳の少女が「私が死んでも闘いを続けてください。自由が取り戻せるのならたとえ死んでも幸せです」と書いた遺書を携えてデモに参加し、撃たれて亡くなったと伝えられた。あの物売りの少女が思い出された。国軍トップの顔がテレビに映るたびにどす黒い怒りが腹の中で渦巻き、暴力的な感情を抑えるのに時間を要した。

彼らに再び平和と自由が訪れますように──。
人類はよりよい方向へ進んでいく。そう信じて、祈り続けている。

本当に。


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まえばし

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