K.Maebashi's blog

ちょっと前の読書「遺伝子は不滅である」


ちょっと久々にドーキンスを読んだ。邦訳は2025年7月発売なので割と最近の本です。
「遺伝子は不滅である」

アフィリエイトリンクです。
https://amzn.to/4yPf205

生物進化に関する本で、内容はかなり多岐にわたっています。全部は紹介しきれないので第10章「振り返る遺伝子の視点」から、カッコウの話。

カッコウといえば托卵、他の種類の鳥の巣に勝手に卵を産んで、だまして育ててもらおう、というものです。「ダーリンは外国人」に説明があったのを思い出したので貼っておきます。

上のマンガにもあるように、カッコウの卵は「預け先」の卵にたいへん似ています。もちろんそうでなければ托卵先の親鳥に排除されてしまうのでしょう。なので進化が托卵先の卵に似せていくのはいいとして、問題は、カッコウの托卵先の鳥は一種類ではないことです。

「遺伝子は不滅である」から写真を引用しようと思ったら、amazonの広告にふさわしいのがあった。

それぞれの卵の中に、ひとつだけちょっと大きめの卵があるでしょう。それがカッコウの卵です。色とかはこれだけ似せたのに、大きさは、カッコウ自体の大きさのせいからか、これ以上小さくできないらしい。

いくらなんでも、1羽のメスカッコウが、托卵先に応じて卵の色を産み分ける、なんてことができるようには思えません。では托卵先ごとにカッコウの種が違うのか、というと、ある意味それに近いのですが、オスはどこに托卵するメスカッコウとも自由に交尾するらしい。

雌カッコウの見かけの多芸多才さは、本当のところどう説明できるのだろう? 確実なことはわかっていないが、通用する最善の推測は、鳥類の遺伝現象の特殊性を利用している、というものだ。

ヒトのような哺乳類は、XとYの染色体で性が決まります。オスはXY, メスはXXの染色体をもっていて、両親からXとXを引き継げばメスに、父親からY、母親からXを引き継げばオスになります。ここまではみんな知ってるでしょう。

鳥類に似たようなシステムがあることはそれほど有名ではないが、あべこべなので無関係に生まれたことは明らかだ。染色体はXとYではなくZとWと呼ばれるが、それは重要ではない。重要なのは、鳥の雌はZWで雄はZZであることだ。これは哺乳類とは逆だが、それ以外の原理は同じだ。Y染色体は哺乳類では雄系統にのみ伝わるのに対し、鳥類ではW染色体は雌系統にのみ伝わる。Wの源は母親、母方の祖母、母方の母方の曾祖母、という具合にどこまでも雌の世代をさかのぼる。

鳥の場合、オスがZZでメスがZWとのこと。そしてW染色体はメスの間だけでずっと伝わっていくので、ここに卵の色や模様を最終的に発現させる遺伝子が乗っていれば、メスごとにそれぞれひとつの托卵先に対応することができます。そして、それぞれのメスは、「自分を育ててくれた種」の巣に托卵するとのこと。確かにそれなら、個々のメスが器用に産み分けしなくても、托卵先に似せた卵にできそうです。

しかし、それはわかるとして、進化というのはある面では何とも残酷なものですねえ。

こわい。


≪ より新しい記事
 ― 

このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事へのコメント:

コメントを書く

名前:

ブログを作ってみました。何を書くかは未定。

まえばし

いわゆるSEですが、Excelは嫌い。酒は好き。
アイコンはYouCam Online Editorで生成。