せめて週末には1本ぐらい映画を観よう、とずっと思っているのになかなか2時間超のまとまった時間が取れず思うに任せないのですが、何回かに分割して観れば、途中でINTERMISSIONが入るような長い映画でも観られるもんだな、というわけで、この前の週末、amazon primeで「ウエストサイド物語」を観ました。1961年のミュージカル映画。
丸かじりシリーズのたぶん最初の総集編である「東海林さだおの弁当箱」に収録。いちおうアフィリエイトリンクも貼っておきます。Kindle版はないようだし、中古しか買えなそうだけど。
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原作はシェイクスピアの戯曲『ロミオとジュリエット』を元にした、1957年にブロードウェイで上演された同名のミュージカルである。
とのこと。確かにロミオとジュリエットで、パーティーであったばかりのふたりが恋に落ち、あのバルコニーのシーンに類似したシーンもあります。どうも私は、あまりこう、ミュージカルというのに慣れていないので、密会して家族が起きるからとひそひそ声で話していたのに突然でかい声で歌い始める、というのに違和感がないでもなかったですけれど。
ロミオとジュリエットなら「モンタギュー家」と「キャピュレット家」が対立してますが、本作ではポーランド系白人労働者階級の「ジェット団(ジェッツ)」と、プエルトリコ系の「シャーク団(シャークス)」が対立しています。この辺の時代背景(劇中1957年らしい)、ちょっとChatGPTに説明してもらった。
重要なのが、プエルトリコ系住民の急増です。プエルトリコはアメリカ領なので、プエルトリコ人は「外国人移民」ではなく米国市民ですが、文化・言語・人種的にはニューヨークの白人住民から「よそ者」と見なされやすかった。第二次大戦後、プエルトリコから本土、とくにニューヨークへの移住が大きく増え、1945年にニューヨーク市のプエルトリコ系住民は約1万3000人だったのが、1946年には5万人超になり、その後も毎年大規模に流入しました。
背景には、プエルトリコの経済構造を農業中心から工業中心へ変える Operation Bootstrap という近代化政策もあります。農村の仕事が減り、米本土で働く流れが強まりました。DPLAの解説でも、この政策が1940〜50年代のプエルトリコ経済を工業化し、同時に米本土への移住を促したとされています。
だから作中の対立は、単なる「不良少年の縄張り争い」ではありません。
Jets は、主に白人の貧しい若者たち。自分たちも社会の底辺にいるのに、あとから来たプエルトリコ系に居場所を奪われると思っている。
Sharks は、プエルトリコ系の若者たち。アメリカに来たものの、差別され、仕事や住居や尊厳をめぐって押し込められている。
さらに皮肉なのは、Jets側も別に豊かな主流派ではなく、都市再開発によって彼らの街そのものも消えかけていることです。つまり「白人 vs プエルトリコ系」という対立の背後で、どちらも貧困層・労働者階級として都市の変化に振り回されている。そこに人種差別、移民差別、若者の閉塞感が乗っています。
1961年公開という点では、映画自体は公民権運動の時代の入口に出た作品でもあります。黒人差別をめぐる公民権運動が大きくなり、アメリカ社会が人種問題を正面から扱わざるを得なくなっていく時期です。ただし『ウエストサイド物語』が描く中心は黒人差別ではなく、ニューヨークにおける白人エスニック層とプエルトリコ系住民の摩擦です。
中曽根元首相が知的水準がどうとかほざいてたアレですな。
おまけ。サイボーグ009の冒頭、002(ジェット)がブラックゴーストにつかまってサイボーグにされる前のシーン。
ついでに。
トニーの奴がしくじった、の元ネタもこれですよね。
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