「プロジェクト・メイル・メアリー」もamazon primeに出てきたことだしそっちを観ようかと思ったのですが、最近また「火星の人」を読み返したので(何週目かはもう忘れた)、過去2年くらいのうちにはamazon primeで観たはずだけど(映画館で観たのも含め最低3回は観てる)、「オデッセイ」をまた観返しました。
割と原作に忠実な映画で、原作のエピソードはほとんど拾っています。省略されたのはローバーでスキャパレリへの旅を始めてからの嵐の回避とかローバー横転事故ぐらいか※1。それで上下巻の小説を2時間ちょいの映画に収めることができたのは、原作での細かい科学的説明をざっくり省略したからですかね。
原作と違うのが悪いわけではないですが、それはそれとして気になったところ。
<いちおうネタバレ避けの空白>
- ワトニーはハブで毎日壁というかビニールカーテンみたいなところに印をつけてましたが、無人島でサバイバルしてるんじゃあるまいに、ハブにはコンピュータはあってちゃんと動くんだから、日付なんて一発で分かるのでは。
- パスファインダーで地球と交信できるようになった後、原作では、広報担当のアニーがワトニーの写真を欲しがります。原作だと、これは交信できるようになった直後なんですが、映画だと、ローバーのコンピュータをハックして地球とメールでやり取りができるようになった後。そのタイミングなら、宇宙服を脱いだ写真がいくらでも送れると思うんだけどな。メールでテキストしか送れないんなら、uuencodeでもBASE64でも使えばよろしい。
- 原作では、せっかくマーズパスファインダーで地球と交信できるようになったのに、ワトニーの不注意によりそれを壊してしまいます。でも映画ではそのシーンはなくて、ローバーにもパスファインダーが載っているように見えたし、ずっと交信できていたのでしょう。だったら、アレス4のMAVを使うことも許可が出ているはずで、宇宙海賊にはならないのでは(あの宇宙海賊のくだり、原作でもそう重要でもなく正直あまり面白くもないので、無理して残さなくてもよかったのでは)。
- ローバーは、原作では、もっと気密エリアの広いバンみたいな形に描写されていたと思いますが、映画では、コックピットの狭いトラックみたいな形になってる。あの天井に穴をあけても容積は稼げなさそうですが、クレーンがついているのは便利でよい。
- MAVを改造する案をワトニーに送った時、原作だと「冗談でしょ?」で済まされているけど(続きはあるけど)、映画だと、「Are you f---ing kidding me?」と画面に映ってカプーアとミンディ・パークがそれについて問答してる。f---ing部分が何であるかを考えると、どっちかは明白だと思うんだけどなあ。
- 『見て見て! おっぱい!─> (.Y.)』は映画に出せないようなネタなんですかねえ。
- 原作のヴェンカト・カプーアさん、ヒンズー教徒という説明があって、映画では名前はビンセント・カプーアになってましたがそれっぽい顔の方だった。
- 映画だと、いろいろなシーンで、かなり風が吹いている。ハブのエアロックが吹っ飛んだあとの応急処置のシートはばたばたしていたし、アレス4のMAVの先端をハブのキャンバス地で覆った後も、最初からばたばたしてる。でも火星の大気でそんなばたばたするほどの風が吹くはずもなく、でなきゃ4年も前からMAVを送り込んでおくこともできないはずで、でもそれを言い出すと冒頭でMAVが強風で傾くのも「ありえない」ということになって、原作ともども設定に矛盾がある。
- ラストシーン、「1年半シャワーを浴びていない」って言ってたけど、ローバーでの旅を始めてからはともかく、ハブでは普通にシャワー浴びてたよね。
- ワトニーを最後に助けに行くのはベックであってほしかったなあ。有能な指揮官ってのは、有能な部下に仕事を振るものでしょ。
- で、アイアンマン。映画としての見栄えであれをやりたくなるのはわかるけど、その前に船長に明確に禁止されたことをワトニーがやるってのはな。ちなみにNASAはかつて宇宙銃というものを作ったのですが、くるくる回ってしまってまるで実用的ではなかったのだとか。そういえば「ゼロ・グラビティ」でも消火器をスラスターにしてましたけどね。
「プロジェクト・ヘイル・メアリー」はまた来週だなあ。
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