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[659] Re:オブジェクト指向「初」入門
投稿者:(ぱ)
2007/02/20 02:13:25

>何が言いたいかというと、「円は楕円のサブクラスである」というのは、 >そうであったほうが都合がいい場合にのみ、真実となるわけです。 まったく同意です。私が言いたかったのは、「数学や論理学の世界」を突き詰めると、 円は楕円のサブクラスである、というのを、絶対の真実として突き進んでしまう 危険があるのではないか、ということです。 >「Circle を Ellipse のサブクラスにすることが妥当と思えない」のは >ひとつの真実ですが、絶対の真理ではありません。Circle を Ellipse の >サブクラスにすることが適切な場合もあります。 まあそうかもしれません。(私にはそういう状況が思いつかないというだけで) その意味では、「だからといってCircleをEllipseのサブクラスにすることが 妥当とは思えません」と書いたのは不用意だったかもしれませんね。
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[658] Re:オブジェクト指向「初」入門
投稿者:774RR
2007/02/20 02:13:25

もう全面的に御意。 分析→設計→実装、の段階のどこのレベルで話をするかがきわめて大事。 >でも、案件Aで今書いたコードが、案件A ver2 でも有効なことはすごく大切。それもひとつの再利用性。 ここんところ、鼻血が出るほど御意。 幸い今までのところ ver2 で設計見直しになった例は(俺の担当範囲では)まだないので 「OOって何」に対する俺の理解はそう外れてはいないのだと思われ。 分析→設計のレベルの話を後輩君にするときにはこういう例を出してる。 class bird { virual void fly()=0; }; という設計においては「こうもりは鳥」であるし「ダチョウは鳥でない」 「こうもりは鳥でない」「ダチョウが鳥である」にしたいのなら、先の設計は変。 設計を見直す=分析のしなおし、だよん。って。
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[657] Re:オブジェクト指向「初」入門
投稿者:CES
2007/02/20 02:13:25

そして、[651] をちょっと補足。 >>こっちの考え方は、突き詰めると数学や論理学の知識が必要になってしまうので、 >>実装面ほど簡単ではありません(私も勉強したいのですが、それらベースと >>なる知識が足りないため足踏みしています)。 >実装面べたべたで行くと、抽象度の高い設計ができずに後ではまるといった >問題があるのかもしれませんが、実装を離れて理論で突っ走っても、結局変なことに >なってしまうように思います。月並みですがバランスが大事、ということでしょうか。 設計段階においてはその通りです。 ただ、ソフトウェアは「設計」「実装」の2段階ではなく、その前に「分析」を加えた3段階で作られます。そして、(本来は)分析なくして設計はなく、設計なくして実装はありえません。 実装の方が触るのは容易なので、実際には「実装→設計→分析」とスキルアップしていくケースが多いのでしょうか。 たぶん「分析」ができないと、オブジェクト指向の真髄を知ったとは言えないだろうなぁ、と思うわけです(実装だけ知っていれば、「オブジェクト指向プログラミング」は極められるかもしれませんが、「オブジェクト指向」を極めるにはそれだけでは足りません)。 当初のタイトルは『オブジェクト指向「初」入門』ですが、これはつまり『オブジェクト指向プログラミング「初」入門』ということですよね。 分析入門もあればいいのになぁ…と思いつつ、最近こんな本を読んでいたり。 http://www.sra.co.jp/people/aoki/IntroductionToOOAOOD/ ただ、「分析」を行うには、論理学を知っていたほうがいいのはあるかもしれませんが、[651] で意図したのはそういうことではありません。 「オブジェクト指向」そのものの数学的、論理学的意味についてです。 たとえば、クラスは分類だと言いましたが、数学的に言えば、クラスはオブジェクトの集合です。派生クラスは部分集合で、多重継承は積集合で…なんて数学の知識は、実務では分析レベルでもそうそう必要ない気がします。 もっと突っ込むと、群論とか圏論といった、ムズカシイ数学が出てきます(勉強したいのですがさっぱりわかりません)。 ちなみに、圏論には「オブジェクト」「クラス」「モルフィズム」というような用語が登場します。…なんとなくオブジェクト指向チックですよね? こういう方面から攻めるのも併用すると、より理解が深まるんじゃないかな、ってことです。
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[656] Re:オブジェクト指向「初」入門
投稿者:CES
2007/02/20 02:13:25

> えっと、前橋さんとCESさんと結局同じこといってるようにしか見えないのですが気のせい? > >> 月並みですがバランスが大事 >> 「それをどう見れば都合がいいか」 > 今、やってる案件においてどう設計すれば適切か、バランスとか都合よさとかから決めろ > としか読めん。 たぶん違うこと言ってる。 前橋さんは > 分析レベルでは、確かに「分類」と捉えたほうがよいのかもしれません とも言われているけれど、俺がしている話はどれも分析レベルだったんだ。と、今更気づく。 そこから一段階進んだ「設計」の段階では、確かにバランスが大事。 [653] のレスをつけたのは「円を楕円のサブクラスにすることが間違いとは限らないよ」って言いたかったから。 > 「円と楕円はどっちがスーパークラスか?」という問題で間違った解を選んでしまいそうな気もします。 > 数学や論理学の世界では、円は楕円の特殊形ですが、だからといってCircleをEllipseのサブクラスにすることが妥当とは思えません。 少なくとも、この問題文だけを見て、「円が楕円のサブクラスであるのは間違いだ」とは言えない、ということ。 「常に」という言葉を補って、「Circle を Ellipse のサブクラスにすることが『常に』妥当とは思えません」ということならば、それは正解。 >だから私は「再利用性」って奴にはかなり疑問。 >案件Aにおいては今書いたコードが適切であっても、それは案件Bでは通用しない >ってのはごく普通にありそうですし。 でも、案件Aで今書いたコードが、案件A ver2 でも有効なことはすごく大切。それもひとつの再利用性。 >>「真実はいつもひとつ!」 >いや、真実はいつもひとつです(と、俺は思う)。 >その真実ってのは、人に理解できるような代物ではなかったりすることもある。 >だから、個々人で理解の仕方が違うってのは普通の話。 ひとつしかないのは「事実」だと思う。 それをどう見るかが「真実」。 でも、「真実」という言葉が「人によって違うもの」という意味に合致するかどうかはどうでもいい(というか、自分でもそういう意味なのかは疑問)。 ただ、「真実は人の数だけある」ってよく聞くから、その言葉を使っただけで、「普遍的に正しいものは無いんだよ」ってことが伝わるなら、「真実」って言葉にこだわる必要はない。
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[654] Re:オブジェクト指向「初」入門
投稿者:774RR
2007/02/20 02:13:25

えっと、前橋さんとCESさんと結局同じこといってるようにしか見えないのですが気のせい? >月並みですがバランスが大事 >「それをどう見れば都合がいいか」 今、やってる案件においてどう設計すれば適切か、バランスとか都合よさとかから決めろ としか読めん。 だから私は「再利用性」って奴にはかなり疑問。 案件Aにおいては今書いたコードが適切であっても、それは案件Bでは通用しない ってのはごく普通にありそうですし。 >「真実はいつもひとつ!」 いや、真実はいつもひとつです(と、俺は思う)。 その真実ってのは、人に理解できるような代物ではなかったりすることもある。 だから、個々人で理解の仕方が違うってのは普通の話。 どの角度から見るかで見え方=コードの実装が異なるだけです。 同じ真実を違う角度で見れば、違うコードになる。ってただそれだけと思う。
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[653] Re:オブジェクト指向「初」入門
投稿者:CES
2007/02/20 02:13:25

>「円と楕円はどっちがスーパークラスか?」という問題で間違った解を選んで >しまいそうな気もします。 >数学や論理学の世界では、円は楕円の特殊形ですが、だからといってCircleを >Ellipseのサブクラスにすることが妥当とは思えません(ただ、メンバが増えている >からといって、EllipseをCircleのサブクラスにするのが適切とも思えません)。 「真実は人の数だけある」とか、よく言われますよね。 唯一不変の真理なんてものはどこにも無くて、人によって「それをどう見れば都合がいいか」というのが違うわけです(大勢にとって都合がいいことが真理だと勘違いされがちですが…)。 何が言いたいかというと、「円は楕円のサブクラスである」というのは、そうであったほうが都合がいい場合にのみ、真実となるわけです。オブジェクト指向では、よく「正方形は長方形のサブクラスである」という話が問題になりますが、これも同様ですね。 我々の日常でも「リンゴは果物のサブクラスである」というのは一面の真実ですが、唯一の真理ではありません(植物学者には「リンゴはバラ科のサブクラスである」の方が都合がいいでしょうし、スーパーでは「リンゴは商品のサブクラスである」のほうが都合がいいでしょう。これらはどれも真実です)。 客観的な視点などというものは存在しません。 「Circle を Ellipse のサブクラスにすることが妥当と思えない」のはひとつの真実ですが、絶対の真理ではありません。Circle を Ellipse のサブクラスにすることが適切な場合もあります。どちらも正解で、間違いは名探偵のように「真実はいつもひとつ!」だと思うことです。
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[652] Re:オブジェクト指向「初」入門
投稿者:(ぱ)
2007/02/20 02:13:25

>例えば、「クラス」という用語の意味は「分類」であって、「原型」では >ありませんから、「クラスからオブジェクトを作る」という言い方は >おかしいのです(実装面からの理解であれば問題ありません)。 たとえばUMLだと、「継承」という言葉よりも「汎化」という言葉を使いますよね。 クラスという言葉の辞書的な定義はともかく(単に用語が不適切であるという可能性も あるので)、分析レベルでは、確かに「分類」と捉えたほうがよいのかもしれません。 >こっちの考え方は、突き詰めると数学や論理学の知識が必要になってしまうので、 >実装面ほど簡単ではありません(私も勉強したいのですが、それらベースと >なる知識が足りないため足踏みしています)。 ただ、そっち方面を突き詰めると、たとえば(よくある例ですが) 「円と楕円はどっちがスーパークラスか?」という問題で間違った解を選んで しまいそうな気もします。 数学や論理学の世界では、円は楕円の特殊形ですが、だからといってCircleを Ellipseのサブクラスにすることが妥当とは思えません(ただ、メンバが増えている からといって、EllipseをCircleのサブクラスにするのが適切とも思えません)。 実装面べたべたで行くと、抽象度の高い設計ができずに後ではまるといった 問題があるのかもしれませんが、実装を離れて理論で突っ走っても、結局変なことに なってしまうように思います。月並みですがバランスが大事、ということでしょうか。
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[651] Re:オブジェクト指向「初」入門
投稿者:CES
2007/02/20 02:13:25

オブジェクト指向を学ぶには、2つのアプローチがあると思います。 ひとつは技術面から、もうひとつは論理面からです。 技術面からというのは、よく言われている「クラス、継承、カプセル化、多態性、OCP」などのキーワードから理解していく方法です。実装面からのアプローチとも言えます。 プログラムをいかにうまく分割し、個々の保守性を上げるかという点が重要です。 論理面は、思想面とも言えるかもしれません。 例えば、「クラス」という用語の意味は「分類」であって、「原型」ではありませんから、「クラスからオブジェクトを作る」という言い方はおかしいのです(実装面からの理解であれば問題ありません)。 オブジェクトは作るのではなく、既にこの現実世界に存在しているのです。それを抽象化して、分類したものがクラスであるというのが、この考え方の第一歩ではないかと思われます。 こっちの考え方は、突き詰めると数学や論理学の知識が必要になってしまうので、実装面ほど簡単ではありません(私も勉強したいのですが、それらベースとなる知識が足りないため足踏みしています)。 技術面の方がわかりやすいのですが、論理面を知らないと、オブジェクト指向の真髄を知っているとは言えないと思います(技術面だけ理解してオブジェクト指向を知った気になっていると、失敗すると思います)。そして、論理面がわかってくると、技術面が、すとんと胸に落ちるように理解できるようになるのではないでしょうか。 オブジェクト指向がこれだけ流行っているのですから、論理面からの入門ももっとあっていいと思うんですけどね…。
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[650] Re:オブジェクト指向「初」入門
投稿者:タイガー
2007/02/20 02:13:25

こんにちは。 >いろいろなオブジェクト指向入門を見てきて、オブジェクト指向は > ・大規模なプログラムの開発でないと効果を発揮しない > ・プログラムを分割することが大切 > ・デザインパターン(設計)を知らないといけない(? >という特徴を持っているのではないかと思っています。 私は、上記のどれもオブジェクト指向の特徴を表していないと 思います。 以前ここの掲示板でオブジェクト指向のポイントは、以下の 2点であるという結論になっていたと思います。 1. データの抽象化 2. マルチプルインスタンス 何ができれば、オブジェクト指向になるのかは難しいと思いますが、 上記の2点はオブジェクト指向を語る上で重要だと思います。 あと、データのアクセス制御(制限?)なども重要だと思っています。 >では、ここからが自分の疑問の核心なのですが、手続き型の学習の中で(あるいは小規模すぎるプログラムの中で)でもオブジェクト指向を実践する方法はないだろうか、ということです。 > >今自分が目をつけているのが、 > ・「開放・閉鎖の原則(OCP:Open-ClosedPrinciple)」 >というもので、これにのっとって実践を進めれば今ある機能を追加していくということでオブジェクト指向の利点を理解しやすく、かつ小さなプログラムを大きくしていけるのではないかと考えています。ここでの継承は、コードの再利用ではなく堅実なプログラムを組むため、という理由付けになりオブジェクト指向と呼べるのでは?と思っています。 > >しかしそのためには手続きを分節化し、プログラムを設計する能力がいるだろう、と思っています。 >このような場合に、デザインパターンが有効なのだと思いますが、具体的にどうプログラムを組むのか、というところで自分は躓いている状況です。 私は普段オブジェクト指向言語を使用していないのですが、 オブジェクト指向を意識したプログラミングをしています。 小規模であっても、手続き型言語であってもオブジェクト指向的 発想は可能です。 例えば、GUIのいくつかのパーツがあって、これらが互いに依存しあう 場合、これら同士でお互いを直接呼び出さないようにします。 必ず親(Mediator)を作って、間接的に制御します。 こうすることで、依存関係を親側に集中化でき、単純化できます。 これの本質部分は、全くオブジェクト指向は関係ありません。 GUIパーツ自身は、本来自分がやるべきことのみ やらせるようにします(単一責任の原則)。 あと、OCPにより、小さなプログラムを大きくしていける (コードを再利用する)というのは、私はそんなに単純ではない と思います。 OCPとは、つまり、上側のコードの再利用であり、下側の コード(処理やデータなど)を追加のみするということですが、 それが、そんな単純にうまくいくなら、トップダウンの 開発が重要ということになります。 仕様変更によるプログラムへの影響は多くが、より上側の処理 であり、より下側の処理の方が再利用の確率は高いと 思います。 プログラムを大きくしていく秘訣はいかにプリミティブな 関数など(より下側の処理)を充実していくかとか、 いかにモジュール化により、プログラムを分割していくかに よると思います。 そもそもOCPは、オブジェクト指向言語だけでは不十分で、 例えば、ログの処理やエラー処理が入ると それだけで処理の「汎用性」が失われ、OCPが成立しません (例えば、エラーを出すタイミングを変えるなど)。 アスペクト指向言語があれば十分かは分かりませんが、 あらかじめ仕様変更を予想してOCPが成立するように 再利用可能なコードを組むのは現実的には不可能だと思います。 但し、局所的に(場合によって)は、うまくいく時ももちろんあります。
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[649] Re:オブジェクト指向「初」入門
投稿者:(ぱ)
2007/02/20 02:13:25

はじめまして。 >いろいろなオブジェクト指向入門を見てきて、オブジェクト指向は > ・大規模なプログラムの開発でないと効果を発揮しない > ・プログラムを分割することが大切 > ・デザインパターン(設計)を知らないといけない(? >という特徴を持っているのではないかと思っています。 デザインパターンはOOPの応用例であって、デザインパターンのためには OOPを知らないといけないけど、逆は真ではないのではないでしょうか。 GoFのパターンにはある意味マニアックなものもありますし。 >では、ここからが自分の疑問の核心なのですが、手続き型の学習の中で >(あるいは小規模すぎるプログラムの中で)でもオブジェクト指向を >実践する方法はないだろうか、ということです。 「小規模すぎる」というのがどの程度かわかりませんが、先に例に出した オセロや、以下のページにおいてあるドローツールなどは、趣味でも 十分作成可能な規模だと思いますがどうでしょうか。 ドローツール「X-Draw」のJavaアプレットによる実行例: http://kmaebashi.com/nazojava/xdraw/index.html サンプルソースはこちら: http://kmaebashi.com/nazojava/index.html >今自分が目をつけているのが、 > ・「開放・閉鎖の原則(OCP:Open-ClosedPrinciple)」 >というもので、これにのっとって実践を進めれば今ある機能を追加していくと >いうことでオブジェクト指向の利点を理解しやすく、かつ小さなプログラムを >大きくしていけるのではないかと考えています。 OCPというと、最近Matzにっき経由でこんなページを見つけましたが http://www.morijp.com/masarl/homepage3.nifty.com/masarl/article/dp-ocp-2.html ここの例だと音符クラスを使っていますね。 元祖MayerさんのOOSC(第1版)だと出版物(PUBLICIATION)クラスです。 上に挙げたX-Drawでは、Shape(図形)にdraw()メソッドを付けることで、 プログラムのあちこちにShapeの種類による分岐(Cならswitch case, Pascalなら case of文ですか)を書くことを避けることができ、図形の追加が容易にできるので、 これはまさに上のページやOOSCで挙げている例と合致していると思うのですが… ただ、ドローツール程度ではこれでよくても、実際大規模なCADなどでこういう 方法が使えるかといえば、 ・draw()といっても、ウインドウシステム等の違いにより描画方法は異なる。  ディスプレイリストを保持するシステムを使うなら、そもそも描画はdraw()じゃないぞ。 ・Shapeだからといってdraw()するとは限らない。データをファイルから  読み込んで解析だけして結果をテキストファイルに吐くようなツールだってあるぞ。 という問題もあるわけでして(あっちこっちに書いてるネタですが)。 結局設計に万能の「正解」はなく、たとえば拡張に備えるにしても「どんな拡張が ありそうか」ということをある程度予測してからでないと設計方針は選べないんじゃ ないかなあ、と思います。つまらない結論かもしれませんけど。 >ここでの継承は、コードの再利用ではなく堅実なプログラムを組むため、 >という理由付けになりオブジェクト指向と呼べるのでは?と思っています。 そうですよね。実のところ私はconcrete classなんざ継承できなくても よいのでは、と思っていますが、上で出ている例(Note, PUBLICICATION, Shape)は どれも抽象クラスですし、使用範囲を間違えなければ、有効に使えると思います。
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[648] オブジェクト指向「初」入門
投稿者:Rq
2007/02/20 02:13:25

オブジェクト指向再入門、とても面白く読ませていただきました。その中で ・手続き型言語を習得している「途中」の自分がどのようにオブジェクト指向を実践していけるのだろうか というところで疑問を抱いたので質問したいと思います。ここでのオブジェクト指向議論とは違う疑問なのかもしれませんが、書きたいと思います。 自分は、対象読者とされている「手続き型言語を習得し」た人ではないです。大学に入ってからプログラミングを習っています。使っている言語はDelphiです。 Delphiはオブジェクト指向言語ということだったのですが、学んでいるのは手続き型の勉強なのではないか、と感じました。そこからオブジェクト指向に興味を持ち、調べたもののこの再入門冒頭に書かれていたとおり、挫折しました。そして、もう一度と思っているところです。 いろいろなオブジェクト指向入門を見てきて、オブジェクト指向は ・大規模なプログラムの開発でないと効果を発揮しない ・プログラムを分割することが大切 ・デザインパターン(設計)を知らないといけない(? という特徴を持っているのではないかと思っています。 そしてここのオブジェクト指向再入門で言っているマルチプルインスタンスというのは、Delphiのコードで言うと Type TStringList = class(TString); でTStringList型が出来て(これが「わけのわからない例え話」だったらすみません…) var Str1,Str2 : TStringList; というPrivate宣言をすることによって Str1 := TStringList.Create; Str2 := TStringList.Create; という具合に、同じ形のものを複数作成できる。そして、 Str1.hogehoge; Str2.hogehoge; というように、命令の主体を明らかにできる、ということが具体的な内容なのかなと考えています。 では、ここからが自分の疑問の核心なのですが、手続き型の学習の中で(あるいは小規模すぎるプログラムの中で)でもオブジェクト指向を実践する方法はないだろうか、ということです。 今自分が目をつけているのが、 ・「開放・閉鎖の原則(OCP:Open-ClosedPrinciple)」 というもので、これにのっとって実践を進めれば今ある機能を追加していくということでオブジェクト指向の利点を理解しやすく、かつ小さなプログラムを大きくしていけるのではないかと考えています。ここでの継承は、コードの再利用ではなく堅実なプログラムを組むため、という理由付けになりオブジェクト指向と呼べるのでは?と思っています。 しかしそのためには手続きを分節化し、プログラムを設計する能力がいるだろう、と思っています。 このような場合に、デザインパターンが有効なのだと思いますが、具体的にどうプログラムを組むのか、というところで自分は躓いている状況です。 しかし、上記のようなオブジェクト指向「初」入門が、オブジェクト指向言語から入った人には必要なのではないか、と思いました。再入門という観点からは不適切かもしれませんが、提起してみました。 乱文失礼いたしました。
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[647] Re:オブジェクト指向
投稿者:NykR
2007/02/20 02:13:25

>三角格子の各線を(軸でなく)座標値とすれば、隣に行くにはふたつの値を >いじらなければいけませんから、これはNykRさんのものと同じになるのでしょうか。 えーっと、各線に座標値を割り当てて、    |     |    x0     x1    |     |   /\    /\  y0  z0  y1  z1 /    \/    \ 「各マスの中心から、各辺に対して伸ばした線を軸とする」と、 x0=x1, y0≠y1, z0≠z1 だから 隣に行くためにいじる値は2つになりますね。 私のと同じになるみたいです。 んーと、でも三角格子の各線を軸とする方法もあると思いますよ。 私の方法をもう少しまじめに書きます。 んーと、 上から下へのラインを x軸 右上から左下へのラインを y軸 左上から右下へのラインを z軸 とすると、あるマスから例えば左右のマスへ移動するとき、 x軸方向に0、y軸方向に±1、z軸方向に±1 (× 辺の長さ分) 動かさなきゃいけません。 他の2方向についても2つの値をいじらなきゃいけませんよ、と。 で、この場合は、辺と座標軸が1対1に対応しています。 (ぱ)さんの最初の方法は、本来同一平面上にあるマスを別の平面にある要素(配列の)として表そうとしたところに問題があったのではないかと。
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[646] Re:オブジェクト指向
投稿者:(ぱ)
2007/02/20 02:13:25

>>各マスの中心から、各辺に対して伸ばした線を軸とする、というイメージです。 > >ええと、あるマスが位置(i, j, k)にあったとします。 >このとき周りのマスは ... >右下 と 右隣の左下 のマスは同一のはずなので、別の場所にあるのはまずいのではないかと。 あれっ? 確かにおっしゃる通りです。よく考えずに書いていました。 いやそのマスと座標値が1:1対応しなきゃいかんよね、とは考えていて、 三角格子の交点をつまんでひっぱり挙げるとついて来る線は3本に決まるから、 1:1対応だよな、とか思っていましたが、この時三角格子の各線は座標値を 表しているのであって、軸を表しているわけではないですからね。 とここまでは実は考えていたつもりなんですが、同じだよな、となぜか (2次元の座標系のイメージにひきずられていたのでしょう)考えて 先の投稿のように書いてしまったわけなんですが、 三角格子の各線を(軸でなく)座標値とすれば、隣に行くにはふたつの値を いじらなければいけませんから、これはNykRさんのものと同じになるのでしょうか。
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[645] Re:オブジェクト指向
投稿者:NykR
2007/02/20 02:13:25

横から失礼します。 >>>六角オセロの場合は、3次元の配列にすると、はさむところの判定が >>>楽にできるかもしれませんね。各添え字の上限が一定しないですけど。 >> この場合、最初の2次元は私の書いたx,y座標ですか? >> 3つめの座標はどういう方向になるんですか? > >各マスの中心から、各辺に対して伸ばした線を軸とする、というイメージです。 ええと、あるマスが位置(i, j, k)にあったとします。 このとき周りのマスは 右隣 : (i+1, j, k) 右下 : (i, j+1, k) 左下 : (i, j, k+1) 右隣の左下 : (i+1, j, k+1) にあるはずですよね?(とは限りませんけど、気にしないことにします) 右下 と 右隣の左下 のマスは同一のはずなので、別の場所にあるのはまずいのではないかと。 何か勘違いしてたらすいません。 # こんなの思いつきました。直方体を斜めから見たら6角形になることを利用する訳ですが、 # どっち向きでも添字を2つ動かさなければならない・・・。 / \ / \ / \ |\ /|\ /|\ /| \|/ \|/ \|/ \   |\ /|\ /|\ /| / \|/ \|/ \|/ |\ /|\ /|\ /| \|/ \|/ \|/ \   |\ /|\ /|\ /|   \|/ \|/ \|/
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[644] Re:オブジェクト指向
投稿者:本多
2007/02/20 02:13:25

>>>六角オセロの場合は、3次元の配列にすると、はさむところの判定が >>>楽にできるかもしれませんね。各添え字の上限が一定しないですけど。 >> 3つめの座標はどういう方向になるんですか? >各マスの中心から、各辺に対して伸ばした線を軸とする、というイメージです。 >4角形だと、辺の数が4だから、軸の数は2, >6角形だと、辺の数が6だから、軸の数は3, >この方法だと、ある軸の数値を変化させることで、次々と隣のマスが現れますから、 >はさむところの判定が楽にできるのではないかと。 なるほどぉ。勉強になります。 ありがとうございます。 ...とは言っても実際にゲームを作ったりはしないのですが 何しろ時間がなくて...能力も?(^^;) >>友人や家族でこのゲームを良くやるのですけど、 >>いつもどうやってプログラムするのかなって考えていたりします<-職業病?(^^;) >>そういう融通が効く人間ってすごいなぁとか思います。 >人間の「知能」って不思議です。 最近、コンピュータなしだとほとんど仕事ができないので 考えるのは全てコンピュータの方で私自身はコンピュータの (特殊な)入力補助装置になりさがっているのではないかなどと 感じ出しているのですが、そう錯覚することが「知能」なのでしょうか。
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[643] Re:オブジェクト指向
投稿者:(ぱ)
2007/02/20 02:13:25

>>六角オセロの場合は、3次元の配列にすると、はさむところの判定が >>楽にできるかもしれませんね。各添え字の上限が一定しないですけど。 > この場合、最初の2次元は私の書いたx,y座標ですか? > 3つめの座標はどういう方向になるんですか? 各マスの中心から、各辺に対して伸ばした線を軸とする、というイメージです。 \ \ \ /\/\/\ ―|00|01|02| \/\/\/\ ― |10|11|12| /\/\/\/ ―|20|21|22| \/\/\/\ ― |30|31|32| \/\/\/ /  /  / 4角形だと、辺の数が4だから、軸の数は2, 6角形だと、辺の数が6だから、軸の数は3, この方法だと、ある軸の数値を変化させることで、次々と隣のマスが現れますから、 はさむところの判定が楽にできるのではないかと。 >友人や家族でこのゲームを良くやるのですけど、 >いつもどうやってプログラムするのかなって考えていたりします<-職業病?(^^;) >そういう融通が効く人間ってすごいなぁとか思います。 昔は「コンピュータがチェスで人間に勝てたら、そのコンピュータには知能が あるとみなしてよいのではないか」という議論があったそうですが、 今じゃ誰もそんなこと言いませんもんねえ。 人間の「知能」って不思議です。
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[642] Re:オブジェクト指向
投稿者:本多
2007/02/20 02:13:25

>>例えば六角形のマスでも >>普通に二次元で値を保持しておけばいいんですね。 >六角オセロの場合は、3次元の配列にすると、はさむところの判定が >楽にできるかもしれませんね。各添え字の上限が一定しないですけど。 この場合、最初の2次元は私の書いたx,y座標ですか? 3つめの座標はどういう方向になるんですか? >>Catanみたいなボードゲームは、どうやって実装するのか、想像できないですけど。 >ミソは、ゲーム板をばらばらにして組みなおせる、ってところでしょうか。 六角形のマス自身における駒もあり、6個の角における駒もあり、 6個の辺における駒もあって、それぞれどのマスに隣接してるかが 重要になるゲームなので、マスだけに2次元座標を与えちゃダメなんでしょうね。 辺や角に座標を与えたら、それこそワケわからんのですけど(@_@) >その場合は、「隣接するマスを知っている」モデルが使えるかもしれませんね。 おそらくそういうモデルを適用するのでしょうけど、 初期化がすごく大変そうです。 友人や家族でこのゲームを良くやるのですけど、 いつもどうやってプログラムするのかなって考えていたりします<-職業病?(^^;) そういう融通が効く人間ってすごいなぁとか思います。
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[641] Re:オブジェクト指向
投稿者:(ぱ)
2007/02/20 02:13:25

>例えば六角形のマスでも >普通に二次元で値を保持しておけばいいんですね。 昔ASCIIに載っていた国産初のRPG「アルフガルド」なんかでも、そういう形で 座標を表現していたはずです。ユーザに見せるのがこの形式の座標なので、 内部的にもたぶんそうだったんじゃないかしら。 六角オセロの場合は、3次元の配列にすると、はさむところの判定が 楽にできるかもしれませんね。各添え字の上限が一定しないですけど。 >Catanみたいなボードゲームは、どうやって実装するのか、想像できないですけど。 これですか。 http://www.hanayamatoys.co.jp/catan/index.html ミソは、ゲーム板をばらばらにして組みなおせる、ってところでしょうか。 その場合は、「隣接するマスを知っている」モデルが使えるかもしれませんね。 表示の際の位置決めとか面倒そうですけど。
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[640] Re:オブジェクト指向
投稿者:本多
2007/02/20 02:13:25

>六角形や三角形のマスを使うものがあるじゃないですか。 >いったいどう言う形で情報を記憶するんでしょう? >二次元配列じゃ、素直に考えると、うまくない...かな? あ、何か複雑なこと考えすぎていたみたいです。 例えば六角形のマスでも 普通に二次元で値を保持しておけばいいんですね。 /\ |xy|として、下の様に座標を与えておいて \/ 表示するときに工夫すればいい...のかな? /\/\/\ |00|01|02| \/\/\/\ |10|11|12| /\/\/\/ |20|21|22| \/\/\/\ |30|31|32| \/\/\/ 隣り合うモノかどうかの計算もちょっとズレるけど 四角形のマスと大きく変わるわけじゃないんですね。 三角形も同じように出来ますね。 Catanみたいなボードゲームは、どうやって実装するのか、想像できないですけど。
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[639] Re:オブジェクト指向
投稿者:本多
2007/02/20 02:13:25

全然、話の本筋とは関係ないのですが、オセロみたいなボードゲームに 六角形や三角形のマスを使うものがあるじゃないですか。 あぁいうのをプログラムで実現するとしたら、 いったいどう言う形で情報を記憶するんでしょう? 二次元配列じゃ、素直に考えると、うまくない...かな? 三角形のマスなら二次元目の方向を斜め方向にするのかしら? マス一つ一つがオブジェクトになっていて、 最初に隣り合うマスの情報をマスオブジェクトにあたえるんでしょうか。 初期化や、プレイヤーからの指定が、ちょっとめんどくさそう。
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[638] Re:オブジェクト指向
投稿者:(ぱ)
2007/02/20 02:13:25

>> これは結構わざとらしい例だと思いますが、 > >全く本筋と関係ない話ですが、4隅の無いオセロは現実に存在します。 > >http://www.google.co.jp/search?hl=ja&c2coff=1&q=%22%EF%BC%98%EF%BC%98%E3%82%AA%E3%82%BB%E3%83%AD%22&btnG=Google+%E6%A4%9C%E7%B4%A2&lr= ややっ。 知りませんでした。情報ありがとうございます。 盤面の絵とかがなかなか見つからなかったのですが、10×10の盤面で、 4隅の3つのマスが存在しないわけですね。 Javaアプレット版88オセロ: http://www.eb.waseda.ac.jp/murata/~kami/othello/othello.html というわけで、 >> これは結構わざとらしい例だと思いますが、 この部分に関しては、撤回いたします。
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[637] Re:オブジェクト指向
投稿者:NykR
2007/02/20 02:13:25

>>「オセロゲームの新しいルールを作ったので、それを反映してください。 >>そのルールとは、4隅が無い物です」 > > これは結構わざとらしい例だと思いますが、 全く本筋と関係ない話ですが、4隅の無いオセロは現実に存在します。 http://www.google.co.jp/search?hl=ja&c2coff=1&q=%22%EF%BC%98%EF%BC%98%E3%82%AA%E3%82%BB%E3%83%AD%22&btnG=Google+%E6%A4%9C%E7%B4%A2&lr=
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[636] Re:オブジェクト指向
投稿者:(ぱ)
2007/02/20 02:13:25

 はじめまして。ご意見ありがとうございます。 >しかし、オブジェクト指向の世界では「メッセージは非常に重要な要素」ですから、 >この表現では、「オブジェクト指向の世界ではメッセージは重要でない」と >誤解されてしまうおそれがあります。  何があればオブジェクト指向か、という点についてはいろいろ議論があって、 http://www.shiro.dreamhost.com/scheme/trans/reesoo-j.html | オブジェクト指向というものが動く標的であるため、オブジェクト指向の熱心な | 支持者はこのメニューのうちの適当なサブセットを気まぐれに選んで、それを以って | 他の言語はオブジェクト指向ではないと説得しようとする。 という議論もあったりしますね。Ruby作者のまつもとゆきひろさんによれば、 http://www.rubyist.net/~matz/20030807.html  『最低限の条件は「アイデンティティがある」こと』だそうですが、これはだいたい 私と同じことを言っているように感じています(違うかもしれないけど)。もっとも私の 説明だとクラスが前提になっているので、まつもとさんの定義の方が範囲が広いですけど。  オブジェクト指向というものがこのように「動く標的」であるとして、 私が件のページで書いているのは、対象言語をJavaとした範囲のものである、 ということをまずご理解ください。  さて、その上で、実際のモデリングをどのように行うかですが。 >オセロの例がありますが、「石を置く」「置けるかチェックする」「盤面を >初期化する」「マスの状態を返す」の関数をサンプルとしてありますが、 >これでは不十分です。 >何が足りないかというと、「マスそのもののオブジェクト」です。 マスそのもののオブジェクトを作るかどうかの議論は、かつてこのへんで したことがあります(現在過去ログが読めない状態のようなので、 Internet archiveより)。 http://web.archive.org/web/20041114033519/http://www.ogis-ri.co.jp/otc/otc2/oosquare-ml/Archive/200205.month/2713.html 私の結論は、マスなんぞのクラスを持ち込んでもしょうがない、8×8の列挙の 配列にすべきだ、というものです。 >それでは、次のような話を持ちかけられたらどうしますか? >「オセロゲームの新しいルールを作ったので、それを反映してください。 >そのルールとは、4隅が無い物です」  これは結構わざとらしい例だと思いますが、そういう例でも、私が公開している オセロのソースをいじるとして、Board#checkPutPossibility()とBoard#isFull()と reverseDiscs()あたりをちょっと直せば十分なんじゃないかしら…と適当に試したら なんか動いたっぽいです。 なお、(修正前の)ソースはこちらで公開しています http://kmaebashi.com/javaworld/index.html 4隅が(空欄として)存在するのは気に食わないかもしれませんが、そもそものお題が 「4隅が無いオセロ」と定義されているのだからそんなに変とも思えません。 >そう、8x8-4=60のマスすべてにメッセージを送るのです。 ... >60人いる保育所の子供全員に「みんなー!クリアしなさい!」と叫ぶ >先生のようです。 で、結局「先生」は、最低でも「真ん中の4つのマス」を把握していなければ いけません。 石を打つ人は、先生にお願いするのかもしれませんけど、もしそうなら 結局先生はすべての子どもの座標を把握している必要があるでしょう。 そりゃま(x, y)で引けるmapと考えてもいいですが、見るからに格子である あの「盤面」をわざわざそんなふうに捉えることが果たして自然かどうか。 >たとえば、「マスに石が置けるかチェックする」は、自分の8方の隣のマスに >問いかけます。 「8方の隣のマス」という時点で、構造が2次元の格子であることに規定されて いますね。たとえば三角格子や3次元に対応できない点において、sionさんの モデルも二次元配列も似たようなものであるように私には見えます。 ところでもしsionさんのモデルが、各マスが8方の隣のマスへの参照を保持する、 というものであれば、「斜めでは挟めない」という新ルールのオセロにおいて (隅がない、というのよりはありそうなのでは)、無駄になりますよね。 逆もまた真です。 >とても回りくどい、面倒な方法に思われますが、実際のコーディングで表せば、 >一般的なやり方と量はさほど変わりません。 一度ソースを見せていただけないでしょうか。いや、皮肉ではなく。 オセロの盤面は、よっぽど奇妙な拡張を考えない限り、2次元配列で十分だし、 なにしろもとが格子なので2次元配列にするのが自然です。 上で挙げたoosquareの投稿にあるように、以前勉強会でオセロを例にしたときに、 >たとえば、「マスに石が置けるかチェックする」は、自分の8方の隣のマスに >問いかけます。 というモデルで作ってみようとした人はいました。隣のマスを見つける方法が わからなくて挫折してましたけど。 # 彼の名誉のために言っておけば、もちろん全部参照持てばできることは # わかっていたでしょう。「本当にそんなアホなことするの?」と思ったから # やらなかっただけで。 私がああいう文章を書いたのは、オブジェクト指向といえばメッセージだ、 という言葉に惑わされて、そういう変な設計が「オブジェクト指向的」で、 なにやらありがたいものであるかのように思い込まされ、混乱してしまった人が 周囲に結構いたためです。 >たしかにそうです。また、白、黒の他に「赤」という石が追加になったら記述を >追加する必要があります。 >しかし、その追加はオブジェクト(クラス)についてすればよい事になります。 どのクラスについて追加すればよいとお考えでしょうか? >蛇足ですが、20年以上前から有るGPSS等のシミュレーション言語では、 シミュレーションにおいて、actor的なオブジェクト指向がうまくいくケースが あるのは確かでしょう。他にもうまく適用できる分野はあるのかもしれません。 でもたとえば最適値を計算しなければならないようなケースで、こっちのオブジェ クトがちょっと最適じゃないから隣のオブジェクトにメッセージを送って… なんてことやってると、無限ループに陥ることもありますよね。 何事も適材適所。少なくともオセロにおいて、隣のマスにメッセージを送って… などという設計が適切であるとは思えません。
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[635] オブジェクト指向
投稿者:sion
2007/02/20 02:13:25

大変な長文失礼します 興味深く読ませていただきました。 世の中の多くの解説は 「クラスとインスタンス、そして継承。及びパッケージ化」があればオブジェクト指向である。それがオブジェクト指向の本質である・・・かのような誤った物が多いです。 クラスや継承、ブラックボックス化は、たしかにオブジェクト指向の重要な構成要素になる「事がある」かもしれませんし、便利な物かもしれませんが、それがすべてではありません。 現在存在するオブジェクト指向言語と呼ばれる物もそういった意味では不十分な物ばかりです。 そのような中で、前橋さんのHPの解説はとてもすばらしい物と思いました。 ただ、「なぜわからなくなってしまうか」のページの説明で 「オブジェクト指向をわかりにくいものにしている最大の要因として、「メッセージ」という言葉が挙げられます。」 とあります。 もちろん、これは「現在存在するオブジェクト指向と呼ばれる言語では、実質関数呼び出しなのだからわかりずらい」と言われているのだと思います。 しかし、オブジェクト指向の世界では「メッセージは非常に重要な要素」ですから、この表現では、「オブジェクト指向の世界ではメッセージは重要でない」と誤解されてしまうおそれがあります。 あと、 「カプセル化とは、「実装詳細の隠蔽」のことです。外部に対しては必要最低限のインターフェースのみを公開し、それ以外は隠蔽することで、実装の変更を可能にしたり、そのモジュールを他でも使いまわすことを可能にする、という概念です。」 と有りますが、これは誤りです。 「実装詳細の隠蔽」は、確かに良い事ですし重要ですが、カプセル化の本質は「メッセージのやりとりを行う単位を作成する」ことです。そして、これがオブジェクト指向の根本です。 オセロの例がありますが、「石を置く」「置けるかチェックする」「盤面を初期化する」「マスの状態を返す」の関数をサンプルとしてありますが、これでは不十分です。 何が足りないかというと、「マスそのもののオブジェクト」です。 8x8=64のマスすべてをオブジェクトとする必要があります。 すると、「え?8x8の配列で良いでしょう!?」と思われるかもしれません。 それでは、次のような話を持ちかけられたらどうしますか? 「オセロゲームの新しいルールを作ったので、それを反映してください。そのルールとは、4隅が無い物です」 実際、4隅が無いオセロなんてつまらない物かもしれませんが、まあ、例と言う事で・・。 このような話が持ちかけられたら、残念ながら前橋さんのサンプルでは大きなプログラム修正が必要になってきます。 たとえば、盤の初期化。 真ん中の4石以外はすべてクリアすると思いますが、おそらくC言語的に書くと for (y = 0; y < 8; y++) for (x = 0; x < 8; y++) ban(y,x) = 0 みたいに書くのだと思いますが、これでは、この処理を大きく変更しなければ成りませんね。 何しろ4隅が無いのですから。(まあ、「4隅の分データを無視すれば良いのでは」とか言う話は置いて置いてください。) 石が置けるかチェックする処理なども同じです。 本来のオブジェクト指向の考えでは、たとえば盤のマス一つ一つをオブジェクトにします。 そして、それらのマスに「あなた(たち)の中身をクリア(石がない状態にする)しなさい!」と「メッセージ」を送ればよい事になります。 そう、8x8-4=60のマスすべてにメッセージを送るのです。 「結局60のマスに送るとき、ループ処理するのでは?」と思われるかもしれませんが、それは、現在のオブジェクト指向言語の不備の問題であり、本来のオブジェクト指向の考えでは、60のオブジェクトに大号令すればよい事になります。 たとえば、  masu(all): message (CLR) みたいに。 もちろんこのような例で書ける言語はありません。私の勝手な文法です。 60人いる保育所の子供全員に「みんなー!クリアしなさい!」と叫ぶ先生のようです。 この方法だと、盤が8x8だろうが、4隅が欠けていようとも、6x10のマスであろうが、コーディングを変える必要はなくなります。60人の子供たちは、必死に自分のマスをクリアする事に専念します。 盤の形の変更はマスの初期配置処理(インスタンス生成)さえ変えればよい事になります。 「石を置けるかどうかチェックする」ルーチンも同じです。 60のオブジェクトたちは、互いにメッセージをやりとりしあい、石をひっくり返す事ができるか確かめて答えを返す事になります。 たとえば、「マスに石が置けるかチェックする」は、自分の8方の隣のマスに問いかけます。「今、僕のマスに白を置こうとしているけど、君のところは黒かい?そして、盤が切れるまでの間に、白有るかい?」「僕のところは黒だけど、隣については聞いてみるね」などなど・・・。 この方法だと、たとえ、隣に突然穴があいていたとしても関係有りません。盤の形が変わっても関係有りません。オブジェクト同士がメッセージのやりとりで処理しますから。(もっと根本のルール変更が有ればこのオブジェクトも修正が必要になりますが、修正はこのオブジェクトのみになります。) とても回りくどい、面倒な方法に思われますが、実際のコーディングで表せば、一般的なやり方と量はさほど変わりません。 「’石を置く’、’置けるかチェックする’、’盤面を初期化する’、’マスの状態を返す’の処理を一つにまとめてオブジェクトにしただけで、根本は変わらないのでは?」という声が聞こえてきそうですが、違います。 「マス」というオブジェクト(部品)が作成されています。この部品を利用して、オセロに似た別のゲームができるかもしれません。たとえば、時間とともに盤に穴があくオセロとか・・・。 その例ですと、「時間とともに盤に穴をあける」という処理を追加すればよいだけですが、従来のやり方では、おそらく全面書き直しでしょう。 すると、「結局は穴があくのを前提にマスのオブジェクトを記述しなければならないのでは?」という声が聞こえてきそうです。 たしかにそうです。また、白、黒の他に「赤」という石が追加になったら記述を追加する必要があります。 しかし、その追加はオブジェクト(クラス)についてすればよい事になります。その際は、それこそ「継承」を使って派生クラスを作り、赤石の処理のみを追加すればよいかもしれません。 これで、部品の組み合わせにより「白黒64マスの昔ながらのオセロ」「4隅のないオセロ」「白黒赤石のある64マスのオセロ」「時間とともに穴のあくオセロ」など、様々なバリエーションを作る事ができます。 しかし、従来のコーディング技術では、おそらくバリエーションの数だけプログラムを全面書き直す事になるでしょう。もしくは、if文の嵐になるでしょう。 今度は、「じゃあ、そのマスを関数やサブルーチンにすれば良いのでは?」と疑問があがるかもしれません。 はい、それでかまいません。オブジェクト指向の「本質」は、クラスやインスタンス、継承やブラックボックス化することではなく、「オブジェクト単位で扱うことの考え方」ですので。 場合によっては、昔ながらのBasicでも、その本質は記述する事はできます。(読みづらいでしょうが) オブジェクト指向におけるオブジェクトとメッセージの重要性、わかっていただけたでしょうか? なお、この意見は私の個人的な意見ではありません。20年以上オブジェクト指向に携わってきた経験により他の人からのアドバイス、文献から得た物であります。 ところで、私の文章の中には 「本来のオブジェクト指向の考え」という言葉があります。 「本来の・・・って、誰がいつ考えた物が本来なんだ?」とつっこまれそうですね・・・ただ、現在主流のOOPでは、生産性の向上なんてあり得ない気がするのは確かです。 蛇足ですが、20年以上前から有るGPSS等のシミュレーション言語では、オブジェクトを複数生成してメッセージをやりとりしながら、すべてのオブジェクトが(論理的に)同時進行で処理を行います。 内部的に関数コールでしょ!?って・・・いえ違います。
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[634] Re2:メモリ管理モジュール(MEM)について
投稿者:エイト
2007/02/20 02:13:25

お返事ありがとうございます。 なるほど、MEM_create_controller で別領域に確保されたMEM_Controllerの初期値を渡してるんですね。 アプリ側では MEM.h をインクルードする前に #define MEM_CONTROLLER apl_ctrlとかで使用する、と言う事ですね。 Alignですが、アライメント用ですか。なるほど気づきませんでした。 K&Rも是非見てみます。 ありがとうございました。 お言葉に甘えて、また質問がありましたら、是非質問させていただきます。
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[633] Re:メモリ管理モジュール(MEM)について
投稿者:(ぱ)
2007/02/20 02:13:25

>エイトと申します。 はじめまして。 >MEM.h の、MEM_Controller は、要は各メモリの根っこやエラー時の動作を握ってる >構造体ですよね。 >実体は memory.c に記載され、アプリ側には不確定形で公開していますよね。 >つまりアプリ側にはどうやったって構造が見えない形になってます。 そうです。 >しかし、MMS_CONTROLLER がdefine されると、defineされた値をMEM_xxx_func で >持ちまわる事が可能になるわけですよね。 >これの利点というか、アプリに選択肢を与えてる理由って、なんでしょうか。 おっしゃる通り、MEM_Controllerは、各メモリの根っこやエラー時の動作を握っています。 で、MEMの上位のプログラムが複数の部分(モジュール)から構成されている場合、 モジュールごとに、メモリの根っこやエラー時の動作を変えたいと思うかもしれません。 たとえば、crowbarを組み込んだアプリケーションを作るとして、そのアプリケーション 側でもMEMを使うとしたら、独立したMEM_Controllerを使いたいのではないでしょうか。 たとえばデバッグのためにMEM_dump_blocks()を呼ぶとして、crowbarで使っている メモリの情報まで吐かれても邪魔です。 MEM_Controllerは不完全型でその内容は隠されていますが、MEM_create_controllerで 独立したMEM_Controllerを取得することが出来ます。 また、独立したControllerを使わせたいなら、MEM_malloc()などで引数として MEM_Controllerを渡すという手もありますが、 引数が増えると面倒ですし、実際にはひとつのMEM_Controllerで済むことが 多いでしょうし、独立したMEM_Storageが使いたいという場合でも、たいていは.c単位で 切り替えられれば充分じゃないかなあ、と考えて、こういう実装になっています。 ただし根っこを静的に押さえているのでマルチスレッドなどを考えると問題になる かもしれません。 # ていうかそれ以前に、複数のMEM_Controllerを使うテストはしてないので、 # ちゃんと動くかどうかは定かではないですが f(^^; >MMS_malloc_func 等を個別で呼べなくなるというデメリットはありますが >MEM_Storage に突っ込んで、アプリに見せなくさせるのも一考かなと思ってますが >いかがでしょうか。 うーん、MEM_Storageは使わない関数もあるので、アプリに見えなくするなら mem_default_controllerにstatic指定を付けてmemory.c以外からは見えなくしてしまう ことになるんでしょうけど。 >2. >memory.c 内に定義されているHeader_tag が、union で定義されているのはなぜでしょうか? >Alignの存在する意味がわからないです。 アライメントを取るためです。 たいていのCPUでは、データ型によって、たとえばdoubleは8バイト刻みの領域にしか 配置できないなどの制限があります。 MEM_malloc()で確保された領域には、何が格納されるかわかりませんから、 MEM_malloc()はもっとも厳しい型で境界調整された領域を返す必要があります。 Alignは、その境界調整を行うための共用体です。 このあたりのことは、「プログラミング言語C」(いわゆるK&R)でサンプル実装している malloc()でも考慮されていますので、K&Rをお持ちであればそちらも参考にしてください。 こんな感じで回答になっていますでしょうか? 追加の疑問点等ありましたらまたお気軽にどうぞ。
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[632] メモリ管理モジュール(MEM)について
投稿者:エイト
2007/02/20 02:13:25

エイトと申します。 当HPは自分にとって大変勉強になり、無謀ながらcrowbar の解析をしております。 すいませんが、二点程質問が御座います。どうか宜しくお願いします。 1. MEM.h の、MEM_Controller は、要は各メモリの根っこやエラー時の動作を握ってる構造体ですよね。 実体は memory.c に記載され、アプリ側には不確定形で公開していますよね。 つまりアプリ側にはどうやったって構造が見えない形になってます。 しかし、MMS_CONTROLLER がdefine されると、defineされた値をMEM_xxx_func で持ちまわる事が可能になるわけですよね。 これの利点というか、アプリに選択肢を与えてる理由って、なんでしょうか。 MMS_malloc_func 等を個別で呼べなくなるというデメリットはありますが MEM_Storage に突っ込んで、アプリに見せなくさせるのも一考かなと思ってますがいかがでしょうか。 2. memory.c 内に定義されているHeader_tag が、union で定義されているのはなぜでしょうか? Alignの存在する意味がわからないです。 お時間ある時で構いませんので、返答の程、どうかよろしくお願いいたします。
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[631] Re:「体当たり学習」誤植
投稿者:a
2007/02/20 02:13:25

>ご指摘ありがとうございます。 > >正誤表に追加しました。チェック漏れが多く申し訳ありません。 > kkkkk
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[630] Re:「体当たり学習」誤植
投稿者:(ぱ)
2007/02/20 02:13:25

ご指摘ありがとうございます。 正誤表に追加しました。チェック漏れが多く申し訳ありません。
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[629] 「体当たり学習」誤植
投稿者:yuya
2007/02/20 02:13:25

こんにちは。「体当たり学習」の初版第1刷が手元にあるのですが、 まだ正誤表にない誤植がありましたのでお知らせします。 p.125 Fig 3-3 ASCIIコード表 (1) 表中の最右列2段目、正しくは「i 105(69)」と、小文字の「i」であるべきところが 大文字の「I」になってしまっています。 (2) 同列の最下段、チルダの十進表記は「126」なのに「127」になっています。 下の註●も同様です。十六進表記(7E)のほうは合ってますね。 (3) 2つ目の註●で「日本では¥が割り当てられていることが多い」となっていますが、 それならば表中の該当部分は「¥ 92(5C)」ではなく「\ 92(5C)」と すべきではないでしょうか? お忙しいとは思いますが、どうぞご確認ください。
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