雑記帳 0013(2001/6/30〜)
いつの間にか6月があと1時間を切っていて(これを書きはじめた時点で)、 いちおうこの雑記帳は月ごとにインデックスを作っているので 1ヶ月間一度も更新しないとこりゃちょっといかんな、というわけで、 あわてて書いている次第だったりする。
あわてて書くにしてはちとネタが重いですが...
私の手元に、秋田書店 少年チャンピオン・コミックス版の 「ブラックジャック」第3巻がある。 奥付けによれば、「平成5年10月20日 第95版発行」だそうな。
この中に、少年がサボテンにとりつかれる話があるんだけど、 その中の一節(p.12)。
ブラックジャック:「パパとママはほんとに知らないのか?」
少年の兄:「知らせない方がいいんです 弟が病人だって知ったら… きっとかなしむし…」
ブラックジャック:「病人ではない!!」「わかったか!」
「いわれるこどものきもちにもなってみろ…」
「わたしもきみぐらいのころそういわれた一人なんだ」
これだけ見てると何がなんだかわからんですが、 この「病人」という部分、元は全部「カタワ」だったんですな (マンガ喫茶で古い単行本を見て確認)。
もともと差別用語を使うなという話なのに、 sedみたいに機械的置換をかけてしまったせいで わけのわからないことになってしまっている。
ところで、同じ巻には、ブラックジャックの恩師の本間丈太郎先生が ブラックジャックの所に昔手術のときに腹の中に置き忘れたメスを 届けるというシーンがあって、そこでのピノコのセリフがこれ(p.153)。
「れもメスをこんなにばっちいもんれくるんれ送ゆなんてきっときちがいね」
こっちの方が、よっぽど「差別用語を差別的に使っている」 セリフだと思うんだけどなあ。
言葉が差別的なんじゃなく、それを使う側に差別意識がある、 それはもちろんなんだけど、その言葉を聞いて痛みを感じる人がいるなら、 置きかえられる言葉は置き換えたほうがよいとは思う。
けど、それにしてもこれはちと間抜けではないか。
# もっと最近の版では直ってるのでしょうか? # ご存じの方は教えてください。
しかし、
「れもメスをこんなにばっちいもんれくるんれ送ゆなんてきっと精神障害者ね」
では、余計まずい気もする。
これは、「sed的単語置換」では済まない問題であるわけで、 やっぱり用語の問題じゃないんだろうなあ。
2003/06/22追記
この件について、
掲示板の方で情報を頂きました。
最近の版では「きっと変人ね」になっているそうです。
ここに反映するのがひどく遅くなってしまいましてすみません。