「買ってはいけないの?」

はじめに

いや、全くもって今更なのだが、『買ってはいけない』ネタである。

もう書店でも見掛けなくなってるんですが... 文章書くのが遅いもので、今までかかってしまった。ちぇ。

私は、比較的早い段階で、「買ってはいけない」を買って読んでみたクチである。 別段書痴な方ではないが、そこそこ頻繁に本屋に行くし、 本屋に行けば平積みになっている本は気になるし、 電車の中で読む本も欲しいし、曲がりなりにもプログラマなんてやってると 1000円かそこらで買える本なんて、価格的には誤差のうち、 と思えてしまうというのもあるし(O'REILLY あたりのブ厚い本なんか買うことを考えたらねえ(;_;))。

最初に断わっておくが、この本を購入した時点では、 私はこの本について、 これといって偏見を持っていたわけではない。 反論本はまだ存在していなかった頃である。 ま、確かにちょっと胡散臭いかとは思ったが、 別に批判するつもりでこの本を買ったわけではないのである

んで、買ってきて、読み進むにつれ... だんだんムカついてきた。 全く、消費者をバカにするにも程がある。 もちろん、腹を立てたのは、この本に対してであるが。

私は、別段科学に詳しい方ではない。 というか、一介の文系出身プログラマである。 だから、その後出版された「買ってはいけない」 の反論本に書いてあるような科学的な意味での誤りについて、 検証するだけの知識を持っているわけではない。 しかし、そんな私が読んでも、この本の記述は、 どう見ても「ムチャクチャ」としか思えなかったのである。

あまりの酷さに、Web pageのネタにしてやろうと思った。

実は私は最近愛知から東京に引越して来たのだが、しっかり荷物に入れてきた。

で、東京に来て、ふらりと本屋に行って見掛けたのが、 「『買ってはいけない』は買ってはいけない」である (以下、「いけないはいけない」と表記)。

やられた。言いたいこと全部言われた。 それどころか、私の知識ではわからなかった所まで、しっかり批判してくれた。 ま、「いけないはいけない」の記述にも、気になる所はないではなかったが。

その後出版された「『買ってはいけない』は嘘である」 (以下、「嘘である」)も買って読んだ。 こうなるともう毒を喰らわば皿までである。 のせられてるなあ、と思いつつも、 「本当に『買ってはいけない』か!?」 (以下... 適切な略し方が思いつかないので、「ビジネス社本」と表記) 「『買ってはいけない』大論争」(以下、「大論争」と表記)、 挙句の果てに、「買ってはいけない」の著者である船瀬氏が最近出した本、 「買ってもいい 食卓編」(なんて傲慢なタイトルだろう)まで買ってしまった。

てなわけで、言われ尽くした感はあるが、この「騒動」について、 私個人の思いを少々。

まず、読んでみて

以下、「買ってはいけない」 初読の時の私の印象である。

最初からざっと読んでいって... まともに読めたのは、「ヤマザキ クリームパン」、 つまり、最初のひとつぐらいなものである。 そうか、ヤマザキのクリームパンは、 他のメーカーのパンや小倉あんぱんに比べて添加物が多いのかあ... いや、あらためて読み返すと、 このページにもたいがいムチャな記述が多いのだが、 最初読んだときは、ふーん、と思えたものである。

そして、次のページで、いきなり???が点灯する。

次のページにあったのは、 シュガーレスチョコレートの「ゼロ Zero」であるが、 これを食べると「おなかがゆるくなる」ことを問題にしているようである (アスパルテームの記述もあるけど)。

「糖アルコールは、人の消化酵素ではほとんど消化されない。 カロリーが少ないからパクパクやっていると、トイレにかけこむことにもなるわけだ」

消化酵素でほとんど消化されないってことは、 これってつまり、「食物繊維」なのだろう。 食物繊維がウンコの出を良くすることは常識であって、 そういうものを大量に食べれば下痢をすることもあるだろう (まんがサイエンスの知識だけど)。 だからって、「買ってはいけない」ことになるのか? ま、チョコレートでそういう事態が起きることは 普通の人は想像しないかも知れないが、ロッテはちゃんと注意書きで 「体調によりおなかがゆるくなる場合がある」と注意を促しているらしい。 コンビニでチョコレート買って わざわざ注意書きを読む人は少ないような気もするけれど、 そうやって「ゼロ」を食べた人が、 片っ端から下痢になってトイレに駆け込むようなら、 とっくにリコールなり何なりの処置が取られているだろう。 それがないということは、つまり、 それほど劇的な症状は起きないということなのに、 一体どこに文句を付けようというのだろうか。

「なんで、おなかがゆるくなるものを売るんだろ?」と、 山中登志子氏は言うけれど、たくさん食べれば下痢する食材なんて、 珍しくもなんともない。 八百屋さんで売ってる野菜だって、大量に食べれば下痢するだろうし、 食物繊維配合のサプリメントだったら多分もっと早く症状が出るだろう。 こういうものも全部、「なんで売るんだろ?」と言われてしまうのだろうか? 現在、商品の注意書きは、過剰なまでに安全側に振ってある (こんなに注意書きが多くては、 本当に危険な注意を見逃してしまうのではないかと思う程に)。 「おなかがゆるくなる」という注意書きがあるからといって、 即座に危険であるということになるわけがないではないか。 そして最後の結び。 「フツーのチョコレートをフツーの量だけ食べればいいのだ」。 「フツーの量」がどれぐらいか知らないが、それが出来れば苦労はなかろう。 私も最近おなかが出っ張ってきているのを気にしている方だけど、 それでも、メシはうまいし酒も呑みたい。 私はおやつの類いはそんなに食べないが、 世間には甘いものの好きな人もいるわけで、 どうせチョコレートを食べるなら、カロリーの少ないものを選びたい、 と思うことが、そんなに悪いことなのだろうか?

次のページ。オレンジ。ま、こんなのは、オレンジの輸入自由化の頃から いろいろ言われていたことであって、新鮮味も何もないから放っておいて...

次のページ。「日清ラ王 しょうゆ」。 カップ麺が健康に悪そうだ、なんてことは、 毎日カップ麺を食べているような人でも、 ぼんやりとでも認識していることだろう。 その中で、わざわざ商品名を挙げて、 「日清ラ王 しょうゆ」を批判するからには、 「日清ラ王 しょうゆ」が、 他のラーメンに比べて特に健康に悪いなどの理由がなければならない。 ところが、書いてあることと言えば、 他のカップ麺全てについて言えそうなことばかりなのである。 こんな批判をされた日には、日清はいい迷惑だろう。

次のページ。「おにぎり」。

コンビニで長時間陳列するという売り方には無理がある。 その無理を道理にするため、保存料が使われている。

そうだろうなあ。 で、これを批判するからには、おにぎりで使われている 保存料がよっぽど危険なものなのかしらん、と思って読み進めると...

微生物の増植を抑えることから、何らかの毒性を持っていると思われる。

何だこりゃ。 微生物の増植を抑えるものが、全部毒でいけないものであるとするなら、 わさびもからしもニンニクも、そしてもちろん酸素も、 全ていけないものになってしまうではないか。 じゃ、息しないでいてください。止めませんから。

だいたい、コンビニのおにぎりに保存料を使わなければ、 期限切れで破棄する量が激増するのは当然であって、 とてもとてももったいない話である。 今でも少なくない量の食べ物が、(安全のために)破棄されているというのに。

馬鹿馬鹿しくなってきたから、 順番に挙げていくのはこの辺でやめるが、 その他、特にひどいと思った個所を挙げると、

「ほんだし」。

かつて東京都消費者センターが、かつお風味調味料(14品目)を 分析したことがある。成分平均はなんと化学調味料(グルタミン酸ソーダ)が 25.4%、糖分27.8%、食塩29.5%も含まれていた!
断じて言う。ホンモノのかつおだしには、これらは一切含まれていない。(後略)

「ほんだし」の項なのに、「かつお風味調味料(14品目)」 の分析結果を持ち出すのも妙だが、それは置いておくとしても、 ホンモノのかつおだし(要するに成分的にはカツオ節のことだよな)に、 「食塩」が「一切含まれていない」と「断じて言う」とは、 なかなか大した神経だ。 グルタミン酸ソーダだって、 別に化学調味料を混ぜなくったって、 いくらかは含まれているんじゃないかと思うんだが。

さらに、

まず最初に生かつおをグラグラ煮る(煮熟)。 このとき大量の煮汁が廃液として出る。 これを調味料メーカーはタンクローリーで回収していく、 という。「用途は?」と聞くと「これから先は、言えませんやネ」 と笑った。
そこで合点がいった。味の素と塩と砂糖に、 これらかつおぶしの工場廃液をまぶして 「かつおのような」においをつけて、「かつお風味のほんだし」と 大々的に広告宣伝してきたのだ。

「そこで合点がいった」... それで記事を書いてしまうのだからたいしたものである。

# もちろん、(「いけないはいけない」にも書かれているけど)別に、
# 「ほんものの」カツオ節を作る際に出た「廃液」で「ほんだし」が
# 作られていたとしたって、別に非難するにはあたらない。
# この「廃液」を捨てれば海を汚すだけであり、それを有効利用できるなら
# それに越したことはない。
# そういえば、収穫したエビを干すとき、ヒゲが邪魔になるのだけれど、
# そのエビのヒゲを、えびせんの業者が回収していって香り付けに使うと
# いう話を読んだことがあるな。

「ザ・カルシウム」。「日本人はカルシウム不足ではない」って、根拠は?

「ハンバーガー」。 「血液が酸性にかたよる食事をしていると、pH(ペーハー)バランスのため 骨からカルシウムが溶出するからだ」 今時こんなことを真面目に書く神経に驚かされた。 だいたい、別のページでは、「朝のきれいな水」において、 「アルカリ健康法の迷信」と糾弾しているというのに。 さらに、「早くいえば肉そのものが強い"発がん性物質"なのだ」 肉ばっかり食べていると、大腸でウェルシュ菌だかが増植して 大腸ガンの危険が増す、というのは私も聞いたことがあるが (まんがサイエンスの知識だけど)、 だからといってこの表現はムチャクチャである。 主要な栄養源でもある筈の肉を、食うなとでもいうのだろうか。 あげくの果てに、ミミズの肉... こんなのは小学生しか信じない都市伝説だと思っていたが。

「カカオの恵み」。 「ポリフェノールで健康にはなれない」そりゃそうだろう。 で、ここで「カカオの恵み」を問題にした根拠は? ポリフェノールの毒性でも確認されたか、と思って読んでみれば... 書いてあることといえば、「ひとつの食べものだけで、 からだに良いとか悪いとかを論じる『単品健康主義』は間違っている」 いやごもっとも。で、それを言いたいがために、 特定メーカーの特定商品をいちいち槍玉に挙げたのか?

# 全然関係ないけど... 先日、炒めものに使っていた油が切れたので
# 買って来たんだけど(花王の「エコナ クッキングオイル」)、「体に
# 脂肪がつきにくい」油なんだそうな。いや、最近私もハラを気にす
# るようになってしまったので、ちょっとでも体にいいものを、と選
# んだつもりなんだけどね。
# そしたら、注意書きに、
#   多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものでは
#   ございません。
# なんて書いてあるの。
# 「当たり前じゃあーっ」と言いたいんだけど、こんなことまでわざ
# わざ解説しなきゃいけない世の中になっちゃったのだろうか?

えー、他にも山のように引っ掛かるところはあったのだが、 この調子で挙げていくと、ほとんどのページがひっかかってしまうので 断腸の思いでどっと飛ばして...

「キリンラガービール」。「遺伝子組み換え推進企業がつくる」 はあ。 「キリンの『ビール職人』は麦芽100%だが、遺伝子組み換えを推進している 企業の製品をすすめるわけにはいかない。」 ふーん。 遺伝子組み換えに反対するのはいいけれど、そして、 反対意見を表明するひとつの手段として不買運動に出るのも まあいいかも知れないけれど(私は嫌いだが)、 それならそういうコンテキストで語るべきである。 この本、危険なものを「買ってはいけない」と指摘する本ではなくて、 不買運動のススメだったのね。

洗剤。合成洗剤よりも石鹸の方が、洗浄能力も高くて、 安全で、(柔軟剤まで含めれば)値段も変わらないんですか。 はて、もし本当にそうなら、 なんで利にさとい筈のメーカーは、 石鹸に切り替えないのだろう? (普通そう思うよな)

くすり。「エアーサロンパス EX」の項。 「もしそのピッチャーが、冷やさず保温してれば、20勝していたかもしれない」 だから根拠は?

「液体ムヒS」。 「蚊にさされてもかいていれば、かゆみはおさまるものである」 正気か? ま、蚊なら、「かかなければ」そう時間もかからずに かゆみはおさまるけれども、 「かいていれば」余計症状はひどくなるものである。

「新ルルA錠」。 「熱で死ぬことはないが、カゼ薬で死ぬことはある」 そうか? 死なないまでも、高熱が続けば脳に障害が出ることは、 医者でもなんでもない私でも知っていることである。

「電気カミソリ」。 実は私は「ジレットセンサーエクセル」 (船瀬氏の書いている「ジレットエクセル」とはこれのことだと思われる) の愛用者である。 電気カミソリでガンになった人なんて聞いたこともないが、 私が何故わざわざ(電気でない)カミソリを使っているかといえば、 顎にぴょこんと一本ヒゲが残ったりするのが嫌だ、というのもあるけれど、 それよりも、昔、電気カミソリを使っていた頃、 ちょくちょく会社に行く前にヒゲを剃るのを忘れた、という理由が大きい。 シェービングフォームをつけてカミソリで剃ってれば、必然的に時間がかかるので、 朝の手順のひとつとして組み込まれ、忘れようがない、ということなのである (この点、なくしやすいものは大きくしろ、という「超整理法」 の主張に通じるものがある)。 よって、「電気カミソリには逆立ちしても太刀打ちできないスピード感だ」 とはとても思えない。 シェービングフォームをプシュっとやってる私でさえそうなんだから、 船瀬氏の言うように、石鹸をお湯で溶いてブラシで泡立ててたりしたら、 なおのことだと思う(今住んでる所は、蛇口をひねればお湯が出るけど、 実家では、朝はボイラーのスイッチを切ってることが多かったしなあ)。

ちなみに、 「100円ほどの換え刃で1ヶ月は十分にそれる。この超経済性も魅力だ」 とのことだが、 「ジレットセンサーエクセル」の換え刃、近所のディスカウントショップでは 5個で765円だった。普通の店で買えば、軽く800円を突破する。 どっちかと言えば、200円の方に近そうである。 そして、いつまでもよく剃れるのは確かだが、さすがに1ヶ月は厳しい。 電気カミソリに比べれば(電気カミソリって、刃を替えた覚えがないんだ)、 ランニングコストは明らかに高い。「超経済性」とはとても言えない。

そういえば、私はアフターシェーブローションの類いは普段は使わないが、 たまに床屋などでつけてもらうと、確かにちょっとピリピリする。 先日、試しに、船瀬氏の勧めるようにウイスキーをつけてみたら、 「ビリリリッとすさまじい刺激が顎を直撃した」(笑)。

そして殺虫剤。たとえば「バルサン」の項では、 「部屋のすみずみまで毒物が行きわたる」 そりゃあ良かった。 だってそうだろう。殺虫剤なんて、毒性が売り物の商品である。 こういうものを、毒性がないと思って使っている人がいるとすれば、 その方が問題である。使用上の注意ぐらいちゃんと読みなさいって。

ラスト。「『たばこ病』にサヨナラしよう!」。 いや、私も煙草は喫わないし、煙草の煙って大嫌いなんだが、 「たばこの燃焼が地球温暖化を促進することも明らかだ」 なんて言われると、さすがに何かおかしいんじゃない? と思わずにはいられない。そりゃ二酸化炭素は出るだろうけどさ。

随分長くなったが、これらのことは、別段化学に対する見識がない私が、 初読で明らかに疑問に思ったことである (多少の記憶の改竄はあるかも知れないが f(^^; でも、なるべく正直に書いたつもりである)。

「買ってはいけない」には、何やら難しそうな物質名やら実験結果やらが 並んでいて、「文系」の読者はそういう所を飛ばして恐ろしげな結論だけ 読むから引っ掛かっちゃうんだ、という論調を時々聞くような気が するんだけど、別に化学についての知識がなくても、

あたりに気が付けば、普通「胡散臭い」と 感じるんじゃないかと思うんだがなあ...

ついでにつけ加えると、あの本、同じことの繰り返しばっかりで つまらないんだよね。ま、これは、連載記事をブックレット化したのだから しょうがないとも言えるけれど。

おおざっぱにまとめると

特定の商品名を出す意味があったのか?

マスコミは広告で収入を得ているから スポンサー様の意向に逆らう記事は書けない、 というのは、今更教えてもらわなくても、たとえばコンピュータ関連の 業界に身を置く者なら、充分知っていることである (中村正三郎さんあたりが散々主張していることだし)。 だから、広告をとらない「週刊金曜日」のようなメディアが重要である、 ということを否定するつもりはない (関係ないけど、私は一時期、広告をとらない「パソコン批評」 を毎号買っていたのだが、あの雑誌の記事の日本語は酷かった :-( )。

しかし、特定の商品名を出しておきながら、記事は一般論に終始する、 ってのは、どう見ても妙である(対抗メーカーにいくらか貰ったか? と勘ぐられてもしょうがないだろう)。

「買ってはいけない」p.198の船瀬氏の弁によれば、「消費者連盟の 活動の基本はトップ企業をたたけ。トップ企業が変われば、 右にならえで変わる」だそうである。これは事実かもしれない。

だが、「手段として有効である」ということと、 「それが許されることである」ということは、全く別の話である。

一般論でしかないのに、特定メーカーの特定の商品を写真入りで 非難することは、読者に無用な誤解を招き、 本当の危険を見誤らせる危険があるし、 それ以上に、トップ企業であるというだけの理由で 槍玉に挙げられる企業にとってはいい迷惑である (大企業==悪、という単純な図式が好きな人は、 大企業には、それだけ多くの社員がいて、 それぞれささやかな家庭をつくっている、 ということがわかってないのだろうか)。

そういう行為を、「こういう手段が有効だから」 という理由で正当化するとすれば、 それは、「なんで泥棒したのか」と聞かれて、 「金を手に入れるにはこれが一番手っ取り早かった」 と答えるのとどう違うのか? 有効かも知れないが、明らかにアンフェア、反則技である。 これでは、「企業テロ」と呼ばれても仕方がないだろう。

目的のためには手段を選ばない、そしてそれが許されると思っている所に、 「買ってはいけない」という独善的な本の本質があると思う。 「嘘である」の著者日垣氏は、簡潔な言葉でまとめている。 「なぜなら自分たちは、正義の味方であるからだ。」

毒性を教えてくれるのはいいけれど、定量的な記述がほとんどない

少なくとも私にはそう読めた。「ラットにこれだけ食わせたら死んじゃった」 私が知りたかったのはそんなことではない。 人間が、(通常の使用であり得る範囲で)食べるなり吸い込んだりした時に、 どれだけ健康に悪影響が出るかである。

防腐剤は体に悪いかも知れないけれど、 腐ったものを食べたらやっぱりお腹をこわすわけで、 結局トレードオフなのだから、この手のことを語るには、 定量的な証明が欠かせない。

どんなものでも大量に食べれば毒だ、なんてことは、 「いけないはいけない」でも、「嘘である」でも、 繰り返し記述されていることである。 ひょっとして、「買ってはいけない」をうっかり信じてしまった方ってのは、 それをご存知なかったのだろうか?

まさかそんなことはないよねえ。 塩分のとりすぎはよくない、糖分のとりすぎはよくない、 酒の飲みすぎはよくない(ギクッ)、そんなことは、 誰でも知っていることだと思っていたのだが。

防腐剤は、細菌の繁殖を抑える。でも、だから毒だというには当たらない。 以前、ネットサーフィン(死語)していたら、 「抗菌剤でなんで菌が死ぬのか、よく考えてみよう」 などと書かれたページにぶつかったことがある。 ふむふむ。よく考えてみよう。 細菌が死ぬのは、細菌にとって毒性があるからである。 だからといって、それが人間に毒性があるとは限らない。 ミクロン単位の細菌が死ぬからといって、 体重が何十キロもある人間がどうこうなるとは限らないし、 まして、(キリンラガービールの項にあったように)受容体のあるなし等で 細菌なり虫なりだけに効いてくれるなら、それだけ安全だということである。 もちろん、多少の危険はあるのかも知れないけれども、 問題は、その危険と、抗菌しない場合のデメリットとを比べて、 どちらが大きいかということなのではないか。

着色料だって、毎日食べる普通の食材は確かに着色して欲しくはないけれど、 たまに飲むカクテルなら、毒々しい色が付いてるのも楽しみのひとつだと思う。 そういや、仲間うちでは、ブルーハワイを見ると、「硫酸銅!」 と叫ぶ人がいたりするけど、 これも別に「だから飲むな」と言っているわけではなくて、 あまりにもきれいな青色をおちょくって楽しんでいるのである。 アメリカみやげに毒々しく色付けされたグミキャンディをもらったことがあるが、 それなりに(色も含めて)楽しんで食べることができた (そういえば、エコな人は、「欧米では...」という言葉をよく使うけど、 「欧米」って具体的にはどこのことなんだろう?)。 クリスマスケーキに乗っている砂糖のサンタさんは、 明らかに何らかの着色料で着色されているけれど、 こんなものまでいちいち目くじらを立てる必要があるんだろうか?

最近は、ケーキに写真をプリントしてくれる(もちろん食用色素で)サービスまで あるそうな。 でも、カクテルやケーキばっかりもりもり食ってるようでは、 着色料云々以前に、アル中か糖尿病になってしまいそうである。

各社の研究者の努力を、まるっきり無視している

どんな商品だって、開発にはそれなりの努力が払われているわけである。 巻末の座談会において、渡辺氏は 「そもそも、必要ないからCMをするわけですね」 なんて発言してたりするが、失礼極まりない。 企業は役に立たないシロモノばかり作り、 消費者は、CMを流しさえすれば飛びついて買う、 と言いたいらしいが、これは、メーカーはもちろん、 消費者をも全くバカにした意見である。

たとえば、石鹸が、合成洗剤に対し全ての面で勝っているなら、 メーカーだってわざわざ研究開発費をかけて合成洗剤を開発したりしないだろう。

ただ、私も、合成洗剤は環境には悪そうだ、という意識はなんとなくあったので、 引っ越しを機に、とりあえず洗濯とシャンプーと食器洗いは石鹸にしてみた。

使いごこちは... ま、洗濯は問題ない。というか、 ワイシャツはクリーニングに出してるし、今使っている粉石鹸 「せっけんの街」の説明には、「汚れの70〜80%は水だけで落ちます」と 書いてあったりするし、何より私は少々の黄ばみ・黒ずみは気にしない方なんで(^^;

シャンプーは、MISS A SHAMPOOとかいうのを使っている。 なんか沢山つけてもあっという間に泡が消えてしまうが、 これもまあ、別に使いにくいわけではない。 髪がアルカリ性になるからリンスを合わせて使うこと、 なんて書いてあるが、私の場合、 単に気にしない性格なのかも知れないけれど、 リンスなしで使っちゃっている。 それはそれとして、「ミス・アプリコットでは動物愛護の立場から、 動物実験を行ないません」なんてパッケージに書いてある。 これ見たとき、ホント、買うのやめようかと思った。

食器洗いは... これがよくない。皿ぐらいならなんとかなるが、 というか皿相手なら、お湯で洗えば洗剤も石鹸も使わなくてもたいてい なんとかなってしまうし、それに私は、以前は洗剤のいらないという 触れ込みのスポンジを使っていたこともある(なぜかこっちじゃ売っ てない(;_;))のだが、これでもいい。 しかし、石鹸もお湯もその手のスポンジも、油でベトベトのフライパンに対しては、 はっきり言って全然力不足である。 今私が使っているのは、 会社の近くの生協で買った固形の石鹸をスポンジに塗りつけて使う タイプのものなのだが、割と大量につけて、泡立てて力一杯ゴシゴシ洗っても、 水で流すと汚れが残っている。 結局、もう一度スポンジでこすらなければならない (それで落ちるとも限らないのだが)。 スポンジに塗りつけるタイプは、量の調整がむずかしいのも難点である。

学生時代、無線のサークルに所属していたので、アンテナ作業の後など、 手が油で真っ黒になってしまうこともあった。 そんな時、石鹸で洗ってもちっとも落ちないが、 台所用合成洗剤で手を洗うと、あっという間に落ちたものである。 その代わり、水で流しても、(泡自体は一瞬にしてなくなるが) 手に何かヌルヌルした感じがいつまでも残るのが嫌だった (あれ、一体何なんだろう?)。 そういうのが嫌な人は、石鹸を使うのもいいと思うが、 なんでもかんでも石鹸で洗えば汚れが落ちる、なんてのは、 明らかに誇張というか、はっきり言ってウソである。

ついでに... 石鹸の方が環境への影響が少ない、というのが 「買ってはいけない」では完全に前提にされてしまっているが、 「ビジネス社本」によれば、石鹸は、製造時の環境負荷を考えると むしろ合成洗剤よりもはるかに環境への影響が大きいそうだし、 「いけないはいけない」の方には、「カルシウムイオンの濃度によっては、 石鹸と合成洗剤では毒性が逆転してしまう場合もありうる」 との記述もある。

何をどこまで信じるかは個人の判断だろうと思うが、 何事にも色々な見方があるわけで、 値段か洗浄力か環境負荷か、いずれかの面で合成洗剤がいいと 思えばこそ、そしてそれにより競争に勝てると思えばこそ、 メーカーは作るのである。 なんでもかんでも石鹸の方がいい、なんて書いてある本は、 まず眉に唾をつけて読むべきだろうと思う(というか、普通の大人なら、 少なくとも洗浄力に関しては、合成洗剤の方が石鹸より勝ることぐらいは 経験で知ってないか?)。 もっとも、値段や洗浄力はすぐわかるが、環境への影響は 一般の消費者にはなかなか見えにくいので、 「メーカーは、安くてよく落ちるけれど環境負荷が大きい合成洗剤を売っている」 という批判なら、まだ信じる気になれるのだけれども。

大げさな表現・あからさまにムチャな表現が多い

船瀬氏の文章が特にひどいが、「いけないはいけない」で 「少々ホッとさせてくれる」と言われている三好氏の文章にしても 似たようなものである。「花粉症とがん、あなたはどちらを選びますか?」 なんていう脅迫を、文章の結びに持ってきてしまうのだから。

「買ってはいけない」では、急性毒性を問題にした記述が多いのだが、 薬はともかく、食品添加物で即座にバタンキューと 死んでしまった人なんて聞かない。 今時、そんな人がいたら、大きなニュースになると思えるのに。 今はおいしく食べていても、10年後、20年後にえらいことになるぞ、 という警告なら、まだしも聞く気になるんだが(でも、例えば 「味の素」は、90年前から売ってるそうだ(笑))。

批判本について

「買ってはいけない」は買ってはいけない

「いけないはいけない」は、「買ってはいけない」の反論本として、 書籍の形では最初に出たものだと思う('99年10月1日初版発行)。 「文芸春秋」には、それ以前(9月号)に、「『買ってはいけない』は インチキ本だ」という記事が載ったらしいが(「嘘である」に収録されている)。

私の場合、前述の通り、つくづく「やられた」と思った。 それに、所詮文系出身の私では、「買ってはいけない」の、 「一見科学的な装いを凝らしてある」所について、 そのウソを見抜く知識がないので、実際勉強になった。 もちろん、「買ってはいけない」の内容がムチャクチャであることは、 「科学的に見える」部分のウソがわからなくても、 充分見抜けることであったのだが、それでも、白状すると、 この本を読むまでは、私は、「買ってはいけない」の科学的に見える部分の 記述は、おおむね正しいだろうと思っていたのだ。 もちろん、前述のように、「定量的な記述がない」とは感じていたが。

ただ、それでも、反論に熱中するあまり(?)、ちょといきすぎかなあ、 と思える表現もあるし、特に短かい記事では、 どうもいい加減に書き飛ばされたような印象を受けるものもある。 この程度の量なら問題ないよ、と気楽に言ってもらっても、 消費者としては気になるわけであるし。 また、「買ってはいけない」の記述を曲解していると 思える所もある。例えば、「コカ・コーラ ライト」に関する以下の記述。

骨の主成分はリン酸カルシウムだから、酸性の溶液に浸せばミネラル類が ある程度溶け出す。ネズミなど使わないでも、魚の骨をコカ・コーラに 浸してみればわかるはず。
(中略)
コカ・コーラが骨を溶かすという誤りは、消化器官に吸収される 飲み物が骨に直接作用するという間違いである。

いや全くその通りだ。しかし、「買ってはいけない」の方では、 コカ・コーラに骨を直接浸したら溶けてしまったから コカ・コーラは骨をもろくする、なんてことは書いてないのである。

「買ってはいけない」で挙げている実験は、あくまで

コカ・コーラと水をネズミに2年間飲ませ続けて、 骨がどのように変化するか、観察する実験を行なった。

のであり、骨を直接コーラに浸したなんてことは ひとことも書いてないのである。 にも関わらず、ここでこんな例を出してきても反論にならない。 「いけないはいけない」の方こそ、消化器官に吸収される場合の効果と、 直接骨を浸した場合の効果を混同していると言われても 仕方がないのではないか。

ま、確かに「コーラは骨を溶かす」という俗説はあるようで、 その根拠は、「コーラに骨を浸したら溶けちゃった」というもの なのかも知れない(私はよく知らないが)。 でも、その俗説を批判するのなら、そういうコンテキストで 書くべきではないか。

それに「あんしん君」について。 いくら作っている所が零細企業であったからといって、 インチキ商品売っちゃいかんわな。

それでも、この本は、「買ってはいけない」よりはずっと 事実に即して書かれていると思うし、ついでに言えばずっと面白い。 必ずしも全ての商品について「買ってもいい」 という判定を下していない点も、信頼できると思う (単なる企業側の主張の代弁でない、という点で)。 装丁が「買ってはいけない」にそっくりなことを 批判する人もいるようだが、これはパロディの範疇だろう。 ま、出版社がパロディをやってしまえば 批判されてもしょうがないかも知れないが、 「便乗本」として叩くいわれのものではないと思う。 問題があるとすれば、「大論争」の中で指摘されているように、 著者のプロフィールが紹介されていないという点だと思う。 これは確かに失点である。

「買ってはいけない」は嘘である

「嘘である」は、主に文藝春秋に掲載された文章から構成された本である。

終章のみが書き下ろしである。「買ってはいけない」の 反論になっているのは1章・2章だが、文藝春秋の掲載時期からすると、 「いけないはいけない」よりも先のようである。 おそらく最初に「買ってはいけない」の批判を行なったという点については、 評価されるべきだと思うし、実際内容も面白い。

さらに、3章・4章では、現在あたかも「常識」であるかのように 扱われている環境ホルモンやダイオキシンの問題についても 疑問を投げかけている。

私としては、この本で挙げられている多くの論文について、 当たってみるだけの能力も英語力も時間的余裕も気力もないので、 日垣氏の文章が全面的に正しいと主張することはしない(できない)が、 それにしても、ちょっとWebなどで当たってみると、 環境ホルモンやダイオキシンについては、これまたどう見てもムチャクチャな 主張が多く目に付くのは確かである。

環境ホルモンで精子数が激減した、って、そもそもどう数えたのかが 疑問だが(何日ぶりだったんだろ?)、ま、 仮に精子数が激減していたというのが事実だとしても、それを環境ホルモンと 結び付ける根拠がどこにあるのかも疑問だが、仮にそれも 事実であったとしても、

「少子化の原因は環境ホルモンによる精子数激減である」

とか、

「現代の日本の若者の大半は既に受精不能になっている」

とか言われると、さすがに「ちょっとあんたら周りをよく見てみたら?」 と思わずにはいられない。

少子化が進行していることは事実だと思うが、 その主な原因が、「精子数激減」のせいだと本気で思っているのか? そりゃもしかしたら何%かは「精子数激減」が効いているかも知れない。 でも、他の原因の方が圧倒的に大きな比率を占めていそうだ、 なんてことは、ちょっと考えればわかることではないか?

本当に「買ってはいけない」か?

「いけないはいけない」と同じような狙いで作られた本だと思う。 この本の記述によると、

この本のまとめの最終段階に入ってから、『「買ってはいけない」 は買ってはいけない』(夏目書房刊)と『「買ってはいけない」は嘘である』 (日垣隆著、文藝春秋刊)という、『買ってはいけない』に対する批判本が 相次いで出版された。

先を越されたわけで、なんとも気の毒なことだと思う(笑)。 内容的には、「いけないはいけない」と同じ方向を指しているとはいえ、 各商品の「買ってもいい度」について、「いけないはいけない」とは ちょっと違う結論を出している点が興味深い。 「いけないはいけない」で、やっぱりボロクソに貶されたマイルーラは、 この本では「女性を救おうと用意された」ということになっている。 ま、この記事の著者は男性なので、この点こそがまさにジェンダーの 問題なのかも知れないけれど。ついでに、ビジネス社本の「マイルーラ」の 記事では、結びに

(前略) みずからは何の取材も検証もせず、既存の小冊子だけを摘み食いするような 態度で望むから、そのような矛盾を至るところでおかすことになる」 ときめつけている。グウの音も出ないとはまさにこのことを言うのであろう。

なんて書いてあるけど、この文章自体が、かなりの部分、 「嘘である」からの引用なんだけど(笑)。

とはいうものの、この本、「いけないはいけない」にはない批判もあって、 これまたやっぱり面白いので、内容的には悪くない。 が、この本、後から出た割には、 ちょっと編集が杜撰なんじゃないかと思うんだけど。 『「買ってはいけない」の論旨』という文章が、 カコミで入ったり冒頭に入ったり、そしてその内容は、 純粋に「買ってはいけない」の要約であるものもあれば、 そこに著者の主張が入ったものもあったり。 なんだかちょっとねえ、という感は否めない。

それにしても、この本の末尾に「緊急寄稿」として載せられている、 船井幸雄氏の「マスメディアに望む」という文章は一体何なんだろうか? まあ、船井氏の主張は、 マスコミがいーかげんなことばっかり言ってくれて迷惑だ、ということらしいので、 「買ってはいけない」に通じる所が全くないかといえばそうでもないと 言えないことはないこともないと強弁することも一応可能かなあ という考え方も有り得ないことはないかもしれないなあ、 という程度の関連しか思い付かないのだが。

「買ってはいけない」大論争

この本は、「買ってはいけない」の批判本ではないのかも知れない。 なにせ表紙には、「ほめる人、けなす人」とか、 「賛成派・反対派・やり玉に挙げられた企業、専門家からの意見を一冊にまとめて、 世紀末最後の大論争の正しい見方を明示!」なんて書いてあるのである。 つまり、批判本ではなくて、賛成・反対両方の見方を集めた本ということらしい。

# 全く余談だが、今、「せいきまつ」を変換したら、「世紀末」より先に
# 「聖飢魔II」が出た... SKKの辞書って... ちょっと勘弁して欲しい(^^;

でも、実際に読んでみると、確かに「週刊金曜日」 編集長の文章なんかも寄せられているけれど、 他の部分は大半が「買ってはいけない」の批判になっている。 19章から成るこの本のうち、「買ってはいけない」擁護の立場が多少なりとも 見られるのは、「週刊金曜日」編集長の文章を含めて3つ、 あとの2つは、どちらも著者に「会社員」という肩書きしかないし、 少なくとも片方はネットから拾ってきた文章のようだし、 「十五 『買ってはいけない』は買うべきか?」の方はともかく、 「十七 『買ってはいけない』も『「買ってはいけない」は買ってはいけない』 もどっちもどっち」の方は、やっぱり「買ってはいけない」に対しては 批判的な立場を取っている。 文章も短かいし、一応賛否両論の意見を載せたという 立場を保つために「数合わせ」で引っ張ってこられたんじゃないか、 と思えてしょうがない。

やっぱ、そうなるよなあ(笑)

で、「大論争」に寄せられた「週刊金曜日」編集長の文章が、 これまたやっぱりズレているというか、かなりトホホな代物であったりする。

ダイオキシン、内分泌撹乱物質(環境ホルモン)をはじめ、 私たちの生活は化学物質に脅かされています。 自然界にはもともとなかったこれらの化学物質は、 大量生産・大量消費がもてはやされた時代に次々とつくられ、 その数は一千万種といわれています。

冒頭からしてこれである。はて、「化学物質」とは一体何だろうか?

例えば、味の素の主成分であるL-グルタミン酸ナトリウムなんかは 化学物質になるんだろうか? でも、これは、少なくとも「自然界にはもともとなかった」 わけじゃないよねえ。ま、化学的にも合成できるんだろうけど。 もし、L-グルタミン酸ナトリウムが化学物質なら、 水や塩も化学物質だということになるし。 それとも、「自然界にはもともとなかった」が定義なんだろうか? 自然界にはもともと存在しない物質を、 人類が新規に一千万種も開拓したかどうかは知らないけれど、 「買ってはいけない」で批判している物質は、 必ずしもそんな物質ばかりではなかった筈なんだが。

「いけないはいけない」については、こんなことが書いてある。

(前略)出版の目的がよくわからないからです。 消費者の立場に立って、私たちの不十分だった部分を補填して 問題を提起するのか、それとも『買ってはいけない』の内容を否定することを 目的としたものなのか、はたまた、単なる「二匹目のトジョウ」を 狙った便乗本なのか。 筆者のプロフィールも明記されていませんし、どんな方がどのような狙いで 出版されたのかはっきりしません。

よくここまですっとぼけたことが書けたものだと思う。 「消費者の立場に立って、私たちの不十分だった部分を補填して...」 とは、「消費者の立場に立」てば、「私たちの不十分だった部分を補填」、 すなわち方向性としては同じ方向を向く筈だ、と、本気で信じているのだろうか。 「いけないはいけない」の出版の目的は、 「消費者の立場に立って、『買ってはいけない』 のウソを明らかにすることを目的としたもの」 だと思うのだが、どうもそういう選択肢はないらしい。

著者のプロフィールが明記されていないのは、 確かに「いけないはいけない」の失点だと思う。 が、「どんな方がどのような狙いで出版されたのか」は、 「いけないはいけない」の中に明記してある(まえがきより)。

錯誤と誤謬、悪意に満ちた同書は、ズサンで恣意的な内容であるにも かかわらず、消費者に不安感を抱かせることで飛ぶように売れた。
(中略)
本書では混乱させられた商品情報の整理を試みた。
この世の中がさまざまな商品で構成されている以上、 精密で真実に近い情報が不可欠だという思いからである。

気持ちはよくわかる。元は夏目書房の社長が「買ってはいけない」を 読んで腹を立てたところから始まったらしいけど (もちろん、こんな本を出せば売れるだろう、という狙いもあったことは 間違いないと思うが、それは悪いことではないし)。

さらに、「週刊金曜日」編集長の文章はこう続く。

ただ『「買ってはいけない」は買ってはいけない』には、商品記事編集の 定番ともいえる五つ星チェックが乗っていますが---満点の五つ星がついた 商品はたった二つしかなかったこと(中略)諸手を挙げて「買ってもいい」と 言える商品はほとんどなかったということです。これで、 『「買ってはいけない」は買ってはいけない』と言えるのでしょうか。 たいへん疑問です。

ま、これはいいんだが、終盤近くで

様々な反論を読んで、私たちは正直言って、「消費者の立場に立つか、 メーカーの立場に立つか、そのスタンスによってこうも違うものか」 という強烈な印象が残りました。

こうくるのである。自分達は断固として「消費者の立場」で、 それに反対するものは全て企業の手先であるかのような 視点は明らかに病んでいると私は思うが、 それ以前に、この文章、さっきの見解と矛盾してないか? 諸手を挙げて「買ってもいい」と主張しなかった 「いけないはいけない」が、メーカーの立場に立っていると 何故思うのだろうか?

その他いろいろ

イデオロギーについて

反論本にも何度も書かれていることでもあり、 今更こんなことを書くのも何なのだが、 「買ってはいけない」はイデオロギーの本である。 あの本で批判された商品は、その成分や危険性に関係なく、 「大企業が派手に広告宣伝して売っている」という理由で 初めから悪者にされることが決まっていたのだ。 「買ってはいけない」はそれを「前提」にして書いてあるから、 具体的な商品批判は後付けの理屈に過ぎない。 商品名を挙げているのに、一向に具体的な批判にならないのは、 そのためである。

しかし、そんな杜撰な本が、これほどまでに売れてしまったのは、 やはりそれを買った方も、「イデオロギー指向」で本を選んだとしか 思えない(いや、買うまでの経緯についてだけ言えば、 私も人のことは言えんが(^^;)。 食品添加物を否定している所あたりが、「なんとなく」 シゼンホゴでカンキョウホゴでショウヒシャホンイのように思えたのだろう。

しかし、どうも混同されているような気がしてしょうがないのだが、 「買ってはいけない」は環境保護の本ではないよね?

確かに、洗剤などで、排水の毒性を指摘している部分もあるけど、 そういう部分は全体からすればごく一部であって、 主張の大半は、環境云々とは無関係に、とにかく 「自分は安全に暮らしたい」というものではないだろうか?

もちろん、それは悪いことではない。 ただ、それは、「環境保護」とは、時々矛盾する筈である。 例えば、防腐剤を使わなければ、破棄する食料が増えて、 それは全部ゴミになり、海を汚すわけである。

当たり前だが、もし、人間を自然の一部と考えず、 かつ、本当の「自然」が尊いものだとするならば、 「農地」だって深刻な「自然破壊」である。 だとすれば、「農地」をの面積を最小に食い止めることこそ 「自然保護」なのであって、 広い土地を必要とする傾向のある「無農薬有機栽培」などは、 「自然破壊」を推進するものとして糾弾されてしかるべきだと思う。

でも、「環境保護」とか「自然保護」とかを掲げる人達が、 割と「買ってはいけない」に引っ掛かっている確率が高いような気がする (気のせいだろうか?)。

こういうのは、 「なんとなくベクトルはこっちに向いてるようだから賛成!!」 という感覚なのだろうか。 私にはちょっと理解しがたいのだが、似たような経験は昔からあった。

学生時代、「平和と生活を考える会」なんてのがあったんだけど、 そこが「風の谷のナウシカ」の上映会をやったことがあった。

いったい、どこをどう見たら、あの好戦的なアニメが、 「平和と生活を考える」ことになるのだろうか? 「あーあ、何て奴だよ、みんな殺しちまいやがった」の世界である。 使者を立てて口上を述べれば戦争しかけていい世界である。 「ペジテの誇りを思い知らせてやる」とか言って、 自爆しようとしてるとしか思えないでっかい爆弾に 火を付けようとしている世界である。 風の谷のガンシップがコルベットを撃墜して「ひゃっほーい!」の世界である。 原作はもっと酷いけど(笑)。 腐海の毒に冒されながら腐海と共に生きる、と言っている所を見るに、 「環境保護」でもないらしい。「自然保護」と言えば、 確かにちょっと近い気もするが。ただ、ナウシカがテトについて 「ユパさま、この子、私にくださいな」と言っている所を見ると、 やっぱり人間以外の生物は随分格下らしい(笑)。 「紅の豚」なんかはもっと直接的だけど、宮崎駿監督って、 戦争を嫌っているわけじゃないとしか思えない。 真面目な話、ガンダムやマクロスの方が、 ずっと「反戦」のメッセージを含んでいると思う (やっぱりセントアンジェ?)。

「もののけ」なんてもっと酷くて、アシタカはろくに善悪の区別もないまま 首を弓矢で吹っ飛ばす(ひええ)けど、それはまあ置いとくとしても、 シシ神が斃れた後、何故か周囲は花咲爺状態になるのである。 これはつまり、シシ神というのは、人間が自然に対して感じていた畏敬とか、 そういうものの象徴であって、それが無くなった時点で、 「自然」は、人間にとって、搾取し放題の存在になったということだと思う (と解釈しなければ、この映画全体が意味不明だ)。 それをめでたいととるか、悲しいことととるかはともかく、 これは、現在人類が直面している問題(搾取し放題の筈の自然から 取れるものがアヤしくなってきている)とは、全く違うテーマの筈である。 なのに、やっぱり、「エコな人」は、「もののけ」を「エコな映画」のひとつに 挙げるのである。

# いや、随分脱線したもんだ (^^;;

自然物信仰について

「買ってはいけない」では、確かに天然添加物の危険性も指摘しているけれど、 やはり背景には、「化学的に合成したものは危険、自然のものは安全」という 発想があるのだと思う。

正直言って、気持ちは解らなくはないのだが... でも、原始に帰ればより安全かと言えば、とてもそうは思えないでしょ? 昔は、今よりずっと平均寿命が短かかったわけだし。

「自然のものは安全」という論理が好きな人ってのは、 結局、「自然」は全て人類のためにあると思っている、 極めて傲慢な人達なんじゃないか、とも思う。

だってそうじゃないか? でなきゃ、たまたま地面から生えてきた植物、 たまたまその辺にいた動物、そういったモノがすべからく安全、 なんて発想は出て来ないと思う。

週刊金曜日的論理からすれば、「私たちの生活は化学物質に脅かされています」 らしいけど、もともと人間なんて昔から(もちろん今でも)自然に 脅かされているわけで、それを何とか科学の力で防御した結果として 今の社会があると思うんだけど。

現在の日本は、ま、そりゃ色々問題あるとは思うけれども、 過去の全ての時代、そして世界の全ての地域、この両方の軸にわたって、 ほぼ最高レベルで「安全」と言える状況だと思う (確かに、アトピー等が増えてたりするようだし、 色々考えると複雑だけれども)。

もちろん、それは、他の地域からの搾取によるものかも知れないし、 将来に大きな借財を残すものかも知れない。

でも、とりあえず、現在の日本が、「豊かな国」であり、 生死にかかわるほどの危険からは極めて遠い所にある、 ということをまず認識することが必要だと思う。

何が何でも「自分は不幸だ」と思いたがる 「中島みゆきファン的発想」はいい加減やめにして欲しい。

メーカーについて

「買ってはいけない」騒ぎでつくづく思ったことは、 「大企業って大変なんだなあ」ということであった。

これだけあからさまにムチャクチャな中傷をされても、 即刻反論・告訴するなど、強硬な態度が取れないのは、 客商売ゆえの弱さ、なのだろうか。

また脱線するが、「買ってはいけない」一連の騒ぎでまず私が連想したのは、 実は例の「東芝ビデオ事件」であった。

私の場合、まず、AKKY氏のページを読んで、 「何が何だか、事実関係がさっぱりわからん」という印象を受けた。

ちょうどその頃、東芝がその経緯に関する説明ページを出したのだが、 そのページの、AKKY氏がビデオデッキを社長宛てに送りつけたという記述を読み、 かつ、AKKY氏が、自分のページに東芝の説明に関する反論を載せたにも関わらず、 ビデオデッキを送り付けたということに関して 何ひとつとして触れなかった時点で、はっきり怪しいと思った。 「こいつ単にクレイマーなんじゃねえの?」と思った。

でも、私の周りでも、結構多くの人がAKKY氏を支持していた。 社長宛てにビデオデッキを送り付けたことについては、 東芝の創作であると声高に主張する人までいた。 おいおい、AKKY氏本人ですら、 そんなことは一言も言ってないって。

そういえば、東芝の主張と、AKKY氏の主張との間で、 「事実関係が明らかに異なる」と言ってた人も多かったけど、 AKKY氏のページには 事実関係なんぞほとんど何も書かれていなかった ということに気付いていなかったのだろうか。 本当に?

東芝が裁判所に仮処分申請を出した時には、 「やめときゃいいのに」「さっさと謝っちゃえばいいのに」 という声が多かったように思う。 「勝てば勝ったでイメージ悪くするだろうし、負けたらもっと大変だし」 というのが主張の根拠だったと思うが、 これはつまり、東芝は、事実関係がどうあれ もう悪者決定だから、 謝るのが得策だろう、ということなのだろう。 確かにそうかもしれない。 が、録音ひとつでそんな世論があっさり形成されるとしたら、 それは随分恐ろしい世界なのではないかと思うのだが。

現在、「買ってはいけない」で批判されたメーカーの中には、 自分とこのホームページで、自社製品の安全性を主張している所もある (私がちょっと調べた範囲で、花王・味の素)。 挙げている商品は「買ってはいけない」で槍玉に挙げられた 商品そのものであるにも関わらず、「買ってはいけない」という キーワードがどこにも出ていない所が笑える。 やはり、「大論争」で指摘されているように、 「泥仕合を避けたかった」のだろうと思う。

花王の該当ページ
http://www.kao.co.jp/comp/ansin/index.html

味の素の該当ページ
http://www.ajinomoto.co.jp/ajinomoto/A-Company/company/anzen/index.html

オムバスについて

「大論争」を見ると、以下の記述がある(p.94 竹原和彦氏の文章)。

『買ってはいけない』の医薬品関連のほとんどを執筆している三好基晴氏は、 株式会社オムバス(以下オムバス)の顧問医です。 オムバスは、自宅に温泉水を宅配し、湯治によってアトピー性皮膚炎を 克服するという、いわゆる民間療法を展開する会社です。 厚生省の治療ガイドラインにも明記され、 世界的にも標準治療となっているステロイド外用薬の適正使用および アトピー性皮膚炎に対するその他の治療をすべて100%否定し、 温泉湯治のみが唯一絶対の治療と主張しているのがこの会社です。 会社や学校を辞めたり休んだ上で湯治をするように指導しており、 客単価は百万円以上にもなる療法です。

なるほど、「買ってはいけない」の三好氏のプロフィールを見ても、 「日本オムバス、全国アトピー友の会顧問医」と書いてある。

infoseekで調べたら、オムバスはしっかりホームページを持っていた。

http://www.b-tech.co.jp/OMBAS/home/hom_cent.html

ステロイドを否定し、会社や学校を休んで温泉治療に専念しろと言い、 客単価が百万円以上にもなる、というのは全部事実らしいのだが、 ま、だからといって即座に悪徳商法と断ずることもできないとは思う。 さらにinfoseekで調べたけど、被害者の声ってのは特にないみたいだし。

ただ、仕事休んでのんびりして、お風呂に入って皮膚を清潔にし、 かつ、カウンセリングのもと、生活習慣にも気を付ける、 という生活を年単位で続ければ、 何も高い金払って温泉を宅配してもらわなくても そこそこ効果が出るんじゃないかなあ、 という気がしてしょうがないのだけれども。 オムバスの費用の大半は、温泉のお湯代らしいし。

# おおお、オムバスのページを今見てみると、いつの間にか
# 「大論争」への反論が載せられている...

「買ってもいい」について

「買ってもいい 食卓編」、 「買ってはいけない」の著者のひとりである船瀬氏が 新たに出した本である。

船瀬氏と言えば、「買ってはいけない」著者の中でも、とりわけ 虚言・妄言の多かった人である。 「ともかく悪態つきの名人で、品のないこと夥しい」(ビジネス社本より) 船瀬氏が、今度はどれぐらい笑わせてくれるかという 狙いで買ったわけなのだけれども。

いざ読んでみると、やはり船瀬氏は「悪態つきの名人」だけあって、 ほめる方は不得意なのか、 期待したような文章はそんなに見られなかったのだけれども、 やはり妙な記述は多いと思う。ただ、「買ってはいけない」と違って、 感情に訴えるような記述になっていまっているので、突っ込みを入れづらいのだが (それにしてもヘンな文章だ。この体言止めの多さは何とかして欲しいぞ)。

ところでこの本、「食卓編」の癖に、後半には、「付録」と称して 洗剤などの雑貨についての記述もある。その中に、「桃太郎」という、 水のクラスタを小さくすることで洗剤を使わなくても汚れが落ちるようにする (本当かしら)という商品の紹介がある。

洗剤とは、界面活性剤のことである。

ふむふむ。が、読み進めると...

合成洗剤のように界面活性剤を使用しないので、河川を汚す心配もない。

のだそうだ。石鹸もれっきとした界面活性剤であることを、 知っていて無視したとしか思えないんだが。

さらに、「自然丸の無添加純せっけん」の項では、

台所に現れたゴキブリに合成洗剤をふりかけたことがあるのだが、 なんと効き目はテキメン。強力殺虫剤のようであった。

だそうだけども、これは洗剤が気門を塞ぐことによる窒息死であって、 別段毒性とは関係ない、と私は聞いてるのだが。

そういえば、別の本で、蚊などの害虫を退治するのに、 殺虫剤など使わなくても、石鹸水をスプレーすれば充分、 という話を読んだこともあるな。

ま、それはそれとして、この本を読んだら誰でも思うことだと思うんだけど...

環境貴族!!

この本で紹介されているような「良心的な」中小のメーカって、 「買ってはいけない」200万人読者が一斉に殺到したら、 生産が追い付かないと思うんだよな。 まして、日本国民全部を賄おうと思ったら、 産業構造を根本的に変えなきゃムリだと思うんだけど。 やっぱりポルポト農本主義か?

今の日本の状況で、 輸入農産物はポストハーベストが怖いからヤダ、 農薬使った野菜もダメ、防腐剤もダメ、なんていう生活が可能なのは、 ごく一部の人間だけである。

「買ってはいけない」みたいな本が売れてしまう背景には、 「恐怖を煽った」部分ももちろんあると思うんだけど、

「ワタシはちゃんとこういう本で勉強してアブないものを避けている 『意識の高い』消費者なのよ。ふっふっふ」

という、「優越感」というか、「環境選民思想」につけ込んだ部分が かなりあるんじゃないかなあ、と思う。

おまけ

このネタ、ずいぶん前に原形を書き上げてたんだけど、 同種のネタを「大論争」の中で先にやられてしまった。 ま、誰でも思いつくネタだったと言えばそれまでなんだけど..

題して、「『買ってはいけない』は買ってはいけない」(パロディー版)


最近、書店に行くと、「買ってはいけない」という本が平積みになっている。 この本、さまざまな商品の危険性を指摘する本のようだが、 実は、この本自体の安全性に大きな問題があるのだ。

ページを開くと、細かい文字がぎっしり。 こんなものを1文字1文字追っていたら、間違いなく近眼になってしまう。

文部省発表による平成6年度「学校保険統計調査報告」によると、 視力が1.0未満の人が小学生では24.7%、中学生では48.4%、高校生では62.3% にものぼるそうである。 この原因に、テレビやテレビゲームと並んで、本が挙げられることには 疑う余地はない。 「買ってはいけない」のような、小さい文字がぎっしり並んだ本は、 強い「近眼誘発媒体」なのだ。

そして、本を印刷するには印刷インクが必要である。 印刷インクは、内分泌撹乱化学物質、いわゆる「環境ホルモン」として 作用する疑いが持たれている。 環境ホルモンは、精子数の減少(近年、男性の精子数は約半分に減少した)・ 生殖器の奇形・子宮内膜症・免疫力低下・神経障害を起こすとされる。

さらに、本が、熱帯雨林の伐採につながり、地球の砂漠化・温暖化を 推し進めているのはすでに常識である。 日本は世界最大の熱帯木材輸入国であり、その輸入量は世界全体の 30%にも及ぶのである。

どうしても紙が必要なら、せめて再生紙にすべきであろう。 ところが、「買ってはいけない」には、再生紙を使用しているという表示がない。 紙質から見ても、100%パルプから作られたことは明らかである。 その上、紙の色は、やや黄色くなっている。 これはつまり、染色してあるということである。 染色のためにどのような化学物質を使ったのか、気になるところであるが、 現在、本の印刷インクや、紙の染料については、 表示義務はない。まったくの野放し状態なのだ。

その上、いらなくなった本の一部は可燃ゴミとして集められ、焼却される。 焼却による二酸化炭素により、地球の温暖化はさらに促進される。 産業革命以後、地球の気温は1.3〜3.5度上昇したと言われる。 その二酸化炭素を酸素に変えてくれる熱帯雨林を伐採する一方で、 焼却により二酸化炭素を発生させるのだから、環境にとってはダブルパンチである。 おまけに、その時、焼却炉の中では、猛毒のダイオキシンが発生しているのである。

「消費者の立場」をうたいながら、視力を悪化させ、 環境にも悪影響を与える「買ってはいけない」、 こんなものを買ってはいけない。


ま、もちろんこれはあくまで冗談ではあるが (^^; 、 基本的な手口は、「買ってはいけない」と同じだよねえ...


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